現実世界とのリンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 01:50 UTC 版)
『あぶさん』の世界は現実のプロ野球の流れと関連しているため、その時々のプロ野球の出来事と比較しながら読む楽しみ方もある。現実の選手が登場したり、現実のペナントの結果によって漫画の展開も変わる。2004年の球界再編問題の際には連載数回が「大虎」の面々による反対のメッセージで占められた。ただし作者の好みと肖像権の問題もあり、初期の作品を除いて外国人選手はほとんど出てこない。特に1979年の日米野球でのピート・ローズやジョージ・フォスターとのやり取り、そして景浦の「お前らのツバの方が俺は気に入らない」というつぶやきに、水島の考えがよく現れている。 ところが2004年からパ・リーグで導入されたプレーオフによって、漫画と現実に食い違いが見られるようになった。これはプレーオフでリーグ優勝が決定するより早く漫画の原稿をあげなければならないという時間的な制約によるものである。2004年、作者はリーグ1位だったダイエーがプレーオフを勝ってリーグ優勝を決めたと漫画に描いた。しかし、現実には優勝は西武だった。作者は何事もなかったかのようにダイエー対中日の日本シリーズを掲載した。紙上の展開に一区切りが付いたところで、それまでの日本シリーズは安武の妻・サチ子の夢だったという展開(つまりは夢オチ)を見せた。 翌2005年も再びリーグ1位通過したソフトバンクがプレーオフを勝ち抜いてリーグ優勝と描いたが、結果は優勝したのはロッテだった。作中ではソフトバンク対阪神の日本シリーズが行なわれる。2度目は景浦の長男・景虎の夢としている。 2009年10月6日には現実の福岡Yahoo! JAPANドームにて、架空のプロ野球選手としては異例の「福岡ソフトバンクホークス背番号90 景浦安武 引退セレモニー」が開催されている。当日は秋山幸二監督から作者の水島に花束が贈呈され、水島より挨拶が行われた。
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