現実との主な相違点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 14:44 UTC 版)
「金環蝕 (石川達三の小説)」の記事における「現実との主な相違点」の解説
劇中、寺田首相は脳梗塞(脳軟化症)で意識不明に陥る(後に悪性脳腫瘍で死去)が、現実の池田首相は定期検診で癌が発覚し、1964年東京オリンピックを花道に辞任し、池田本人が後継に佐藤を指名した。 献金の内閣窓口役となった星野官房長官は昭和39年夏の総裁選後の内閣改造で官房長官に就任し、その後再任されなかったことになっているが、モデルである黒金は昭和39年の総裁選挙以前の官房長官であり内閣改造で黒金と正反対の党人派・鈴木善幸が後任に就いた。 佐藤栄作を模した酒井とその参謀役である田中角栄を模した斎藤荘造について、酒井総理誕生によって幹事長に就任したことになっているが、田中は佐藤政権発足後も池田内閣に引き続いて大蔵大臣に留まり、昭和40年の第1次改造で幹事長に転出している。 細かい点であるものの、新閣僚公式記念撮影で党の新幹事長も雛壇に加わっているシーンがある、現実には閣僚と与党幹部が一緒に就任記念撮影に臨むことはない。 衆議院決算委員会のシーンでは、伊藤博文ら明治の元老・元勲や、田中正造の写真が部屋に飾られているが、これは永年在職表彰を受けた議員肖像画の代わりとみられる。 劇中では寺田首相の郷里九州の福流川ダムとなっているが、現実の九頭竜ダムは福井県にあり、なおかつモデルである池田首相の地元は広島県である。 劇中、寺田前首相の葬儀の弔辞で、酒井首相は「勲一等旭日大綬章・寺田政臣君は…」と述べているが、劇中の祭壇に飾られている勲章は大勲位菊花大綬章であり、現実の池田首相にも死去後に、大勲位菊花大綬章を追贈されている。劇中の弔辞内容と、祭壇の勲章は明らかに相違している。
※この「現実との主な相違点」の解説は、「金環蝕 (石川達三の小説)」の解説の一部です。
「現実との主な相違点」を含む「金環蝕 (石川達三の小説)」の記事については、「金環蝕 (石川達三の小説)」の概要を参照ください。
- 現実との主な相違点のページへのリンク