現代の労働と貨幣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 07:21 UTC 版)
主な賃金政策は、賃金統計の作成、最低賃金、人事院勧告となる。賃金そのものを中心とする政策は、第二次大戦期から終戦直後にかけての賃金統制だった。官公庁で賃金体系の簡略化が行われ、内閣法制局によって官吏・雇人とブルーカラー層(用人)の身分差が撤廃された。公務員の賃金体系は、人事院勧告以前には労使交渉で決まっており、その水準を民間が参考にする形で春闘に引き継がれた。 賃金交渉の方法は生活給のベースアップ方式から始まり、個別賃金の要求や、定期昇給の方式が加わっていった。最低賃金法成立後の1960年代ののち、変動相場制とオイルショックの時代に大幅賃上げが終了した。その後は賃金の格差が問題とされ、農業と製造業の格差、企業間の格差、正規と非正規の格差、男女の格差などが課題とされている。2000年代前半には超低金利の影響で、円で資金調達をして外貨に投資する円キャリートレードによる外国為替証拠金取引(FX)の個人投資家が増加した。 2018年(平成30年)には、厚生労働省の毎月勤労統計調査の不正が明らかになった。毎月勤労統計調査は、国の重要な統計調査である基幹統計調査にあたり、経済指標である毎月の雇用、給与、労働時間について調査する。しかし、2004年~2011年分の統計データは紛失もしくは破棄されており、再集計が困難となった。2004年以降の実質賃金の値は不正確であることが明らかになり、厚生労働省の特別監査委員会は、調査方法が統計法に違反していると結論した。
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