現代のエール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:43 UTC 版)
現代のエールは、使用する酵母の株と発酵温度で一般に定義される。エールは通常上面発酵で醸造されるが、フラーズ (Fullers) および Welton を含む多くのイギリスの醸造所では、上面発酵の特性が顕著でないエール酵母株を使用する。エールを区別する重要な要素は、発酵が高温であり、ラガーより早く発酵することである。 エールは、通常 15〜24℃ (60〜75°F) で発酵する。この温度で、酵母は大量のエステルおよび付随する風味と香りを生成し、結果として「フルーティー」な生成物となり、リンゴ、洋ナシ、パイナップル、バナナ、スモモ、またはプルーンに似た香りとなる。典型的なエールは、ラガーよりも甘味があり、コクがある。 エールとラガーの分類分けが困難なものもある。スチームビール (Steam beer) 、ケルシュ、および現在の British Golden Summer Beers はラガーとエールの両方の要素を使用する。バルティック・ポーターとビエール・ド・ギャルドは、ラガーとエールいずれかの手法または両方の組合わせで作られる。しかしながら、ラガーはエールよりすっきりとした切れのよい、軽い味わいである。 エールと分類されるビールは、主に大麦麦芽を使用するが、エールの醸造手法を行う白ビールは、小麦を使用する。 アメリカ合衆国の州、特に西部では、「エール」は発酵法や使用する酵母にかかわらず、「ビール」よりもアルコール度が強い、穀物を発酵した飲み物であると、州法で定義されている。 多くの国では、アルコール飲料の種類、特にラガーとアルコポップ(果汁や香料を混ぜたアルコール飲料)が増えるにつれ、エールは人気を失った。
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