現代のカーディー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 23:58 UTC 版)
現代社会におけるカーディー裁判所の状況は国によって異なり、全ての法的判決の権利があり死刑判決の決定権まで持つところもあれば、極めて権限が制限されている国もある。 サウジアラビア 現代でもサウジアラビアの裁判はシャリーアに基づく宗教裁判でありカーディーが裁判を行っている。しかし2009年2月14日から新設された普通裁判所が業務を開始して宗教裁判以外の裁判も始まっている。 サウジアラビアではカーディーは宗教学部の卒業生が就く職業であり、日本や欧米のように法学部卒の人間は裁判官にはならない。法学部卒の人間は弁護士など世俗法の専門職に就いている。 ブルネイ 現代でもイスラム教教義関連の問題についてはカーディ裁判所で取り扱われる。 エジプト シャリーアと世俗法の複合型法律制度を採用しており、現代でもカーディ裁判が行われている。 パキスタン 普通法廷とシャリーア法廷の二重法律制度が行われ、現代でもカーディ裁判が行われている。 マレーシア 通常の法律に違反しない範囲で各州ごとにシャリーアに基づく法令を整備することが認められている。国民の60%前後がイスラム教徒であり、イスラム法に違反したイスラム教徒はカーディー裁判で裁かれる。 現代ではイスラム教徒であってもあまり厳しくは取り締まらなくなっており、飲酒や男女交際程度で起訴されることは稀である。 インドネシア 通常の法律に違反しない範囲で各州ごとにシャリーアに基づく法令を整備することが認められている。元アチェ王国であったアチェ州では特に厳しいイスラム法が施行されている。 アフガニスタン 現代でもアフガニスタンの裁判はシャリーアに基づく宗教裁判でありカーディーが裁判を行っている。国民の97%以上はイスラム教であり、ターリバーン崩壊後、通常裁判などの自由が許されるようになった。
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