きつね‐の‐かみそり【×狐の剃=刀】
きつねのかみそり (狐の剃刀)


●わが国の本州から四国、九州それに朝鮮半島や中国に分布しています。山地の林内や林縁に生え、高さは20~25センチほどになります。黒色の鱗茎があり、早春から夏にかけて「スイセン」に似た葉を出します。夏の終わりには葉は枯れ、8月から9月ごろ、花茎を伸ばして橙赤色の花を咲かせます。名前は、へら状の葉を剃刀に見立てたもの。
●ユリ科ヒガンバナ属の多年草で、学名は Lycoris sanguinea。英名は Red heart lily。
キツネノカミソリ
(狐の剃刀 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 15:19 UTC 版)
キツネノカミソリ(新エングラー体系) | |||||||||||||||||||||
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キツネノカミソリ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Lycoris sanguinea Maxim. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
キツネノカミソリ(狐の剃刀) |
キツネノカミソリ(狐の剃刀、鉄色箭[1]、学名: Lycoris sanguinea)はヒガンバナ科の多年生草本球根植物である。クロンキスト体系ではユリ科に分類される。
花言葉・妖艶[要出典]
解説
明るい林床や林縁などに自生する。早春のまだ他の草が生えていないうちに、狭長の葉を球根から直接出して球根を太らせ、多くの草が生い茂る夏頃には一旦葉を落とす。
盆(8月なかば)前後になると花茎を 30〜50cmほど伸ばし、先端で枝分かれした先にいくつかの花を咲かせる。雌雄同花で花弁は橙色が6枚。
本種には、結実するものと、しないもの(三倍体、2n=32)がある。
葉の形や花と葉を別々に出すところ、有毒植物である点ではヒガンバナと共通するが、花の形および葉と花を出す時季は異なる。
毒成分はリコリンなど。外用で薬とすることもあるが、決して口にしてはいけない。特に花の色や形、花の付き方だけ見ると食用にされたり、薬草として服用されることもあるノカンゾウなどのワスレグサ属の植物に非常によく似ているので注意が必要である。
分布
変種
キツネノカミソリ
(学名) Lycoris sanguinea var. sanguinea
オオキツネノカミソリ
(学名)Lycoris sanguinea var. kiushiana (Makino) T. Koyama
キツネノカミソリより花が大きく花弁が 9cm 程になり、長く突き出るおしべが特徴。本州の関東以南と九州に分布する。
ムジナノカミソリ
(学名)Lycoris sanguinea var. koreana (Nakai) T. Koyama
絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)
花がやや小型で紅紫色。日本国内では九州に分布していたが、宮崎県日南市の自生地が消失、他でも確認されておらず、環境省の第4次レッドリストでは、栽培個体以外が絶滅した状態である野生絶滅 (EW) とされていた。しかし、2017年[2]以降長崎県の対馬、宇久島、野母崎半島で発見されたほか、日向市でも新たな自生地が発見され[3]、2018年の調査で計数十個体の現存が推定されたため、2025年の第5次レッドリストでは、深刻な絶滅の危機に瀕している状態である絶滅危惧IA類(CR)へ移行した[4]。長崎県のレッドリストでは絶滅危惧II類[5]、宮崎県では絶滅危惧IA類に指定されている(2025年3月現在)[6]。
脚注
- ^ 三省堂百科辞書編輯部編 「きつねのかみそり」『新修百科辞典』 三省堂、1934年、607頁。
- ^ 絶滅種「ムジナノカミソリ」か? 長崎の離島に自生 DNA解析へ 放牧地にオレンジ色の花、西日本新聞、2017年9月14日
- ^ 9月の植物、佐賀植物友の会
- ^ “ムジナノカミソリ”. 環境省いきものログ環境省第5次絶滅危惧種検索. 2025年3月22日閲覧。
- ^ 秋告げるオレンジ色 ムジナノカミソリ開花、長崎新聞、2018年9月16日
- ^ 環境省いきものログ都道府県絶滅危惧種検索
外部リンク
「狐の剃刀」の例文・使い方・用例・文例
- 狐の剃刀という植物
狐の剃刀と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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