特例業務勘定の利益剰余金
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「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の記事における「特例業務勘定の利益剰余金」の解説
2010年4月27日、日本国政府の事業仕分けにおいて、JRTTの事業が取り上げられた。旧国鉄職員の年金支給や国鉄資産の売却などを行う日本国有鉄道清算業務において、2008年度決算で1兆3500億円に及ぶ利益剰余金が積み上がっていることについて、国土交通省は国庫返納に難色を示したものの、国庫返納の判定を受けた。また、鉄道技術開発費補助金について、国からJRTTを経由して鉄道事業者に交付する仕組みになっているところを、国が直接実施すべきとの判定を受けた。 2011年2月8日、日本国政府は「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。この法案が成立した場合、JRTTの特例業務勘定の利益剰余金等を活用して鉄道施策を推進するため、JR北海道及びJR四国の経営の安定化、JR北海道、JR四国及びJR九州並びにJR貨物の設備投資への支援、整備新幹線の着実な整備、並行在来線への支援等に関する所要の措置を講じることとした。 JR北海道(2200億円)及びJR四国(1400億円)の経営安定基金の積み増し(無利子貸付方式)JRTTは、JR北海道及びJR四国の経営の安定を図るため、これらの会社が引き受けるべきものとして特別債券を発行するとともに、その引受けに要する資金に充てるため、これらの会社に対し、無利子貸付けを行うことができる。 JR北海道(600億円)、JR四国(400億円)、JR九州(500億円)及びJR貨物(700億円、この他青函トンネル用機関車など190億円)の設備投資に対する支援JRTTは、JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物の設備投資に必要な資金に充てるため、無利子貸付け又は助成金の交付を行うことができる。 整備新幹線の着実な整備(1500億円)JRTTは、平成23事業年度において、北陸新幹線高崎・長野間の建設のための過去の借入れに係る債務の償還・利子の支払に必要な金額を、特例業務勘定から建設勘定に繰り入れることができる。 並行在来線の支援(1000億円)JRTTは、並行在来線を支援するため、いわゆる貨物調整金の交付に必要な金額を、特例業務勘定から建設勘定に繰り入れることができる。 2011年6月8日、この法律案は参議院本会議で全会一致で可決・成立し、上記の施策が実行に移された。
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