版下を構成するもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 15:52 UTC 版)
台紙(版下台紙) 従来の印刷工程ではケント紙などやや厚めの白紙を台紙とするほか、市販されている既製の印刷用規格台紙をベース面として用いる。市販の規格台紙は、印刷物の仕上がりサイズに合わせて他種類用意され、あらかじめトンボや、製版フィルムに反応しない淡い青や緑の色の方眼目盛りなどが印刷されている。 文字 写真植字されたものが一般的だが、レタリングなど手書きされたものもある。写真植字されたもの(写植文字)は印画紙に焼き付けられている。手書きのものは製版カメラで撮影し、紙焼きに起こす(印画紙に焼き付けられる)場合が多い。写真植字が登場する以前は過渡的に、清刷(きよずり)と呼ばれる、活版印刷文字あるいはタイプライター文字が用いられたこともある。 線画 イラストや地図などの図版を指し、作業上支障がなければ直接台紙に描き込む場合もあるが、やはり手書きのものは製版カメラで撮影し、紙焼きに起こす場合が多い。 イラストの場合、すでに着色や濃淡が付けられている原稿は、線画扱いにせず写真原稿として扱うが、単色で濃淡にスクリーントーンや細線・点描などを用いたものであれば線画として扱う。 罫線・トンボ 囲み罫や仕切り罫など印刷されても残る罫線(製版指定では「イキケイ」「ケイイキ・罫生き」と表現)と、アタリ罫など印刷の段階では残らない罫線(同じく「シニケイ」「ケイシニ・罫死に」「ケイアタリ」)がある。 印刷工程において重要且つ必要なものにトンボがあるが、これは印刷物の仕上がり位置・サイズを示すだけでなく、多色刷りの場合では見当を合わせるための目印となる。一般的に版下台紙においては、仕上がりサイズの外の四隅に角トンボ、同じく天地左右の中央にセンタートンボが配され、印刷物に折り加工を施す場合は折りトンボが配される。 別原稿(写真・イラスト等)用アタリ 写真等の網点撮影や色分解が必要とされる原稿の縮小・拡大率や掲載位置を示す仮原稿を指し、作業上支障がなければ直接台紙に描き込む場合もあるが、カンプからの複写やトレーシングスコープから起こした絵を張り付ける場合が多い。 イラストの場合、すでに着色や濃淡が付けられている原稿は、線画扱いにせず写真原稿として扱うが、単色で濃淡にスクリーントーンや細線・点描などを用いたものであれば線画として扱う。
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