版の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/05 14:26 UTC 版)
原典版はファクシミリ版とは異なる。ファクシミリ版は、作曲家の自筆譜や初期の版をそのまま複写印刷したものである。 原典版以前のものは実用版または解釈版と呼ばれ、編者の個人的な解釈が記されている。ディナーミクや発想記号が追加/削除されており、作曲家が意図したものを再現しているわけではない。作曲家が書いた音符が変更されていたり、短縮、増大される例もある。19世紀から20世紀の初期にかけて、著名な演奏家は多くの解釈版を発表しており、ハロルド・バウアー、アルトゥール・シュナーベル、イグナツィ・ヤン・パデレフスキらのものが知られている。 原典版と解釈版の折衷として、両者の音符を両方掲載している楽譜も存在する。そのような楽譜では、音符の大きさを変更することや、グレーで表示することによって両者が明確に区別できるようになっている。そのような折衷版は特に初期音楽の分野で目立って見られる。というのも、古い記譜法のために解釈上の困難が生じることが多いからである。
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