爆撃照準器の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:47 UTC 版)
弾道学の用語では伝統的に「解決策」として兵器の照準の計算のことが話される。「爆撃照準器の問題」とは、上記の内容すべての影響を考慮に入れた場合、目標に爆弾を命中させるためには何処で爆弾を投下すべきかという空中での位置計算である。 風の条件が無いとき、爆撃照準器の問題はごく単純である。着弾点は航空機の高度、前進速度、爆弾の終端速度の3種類の要素の関数である。多くの初期の爆撃照準器では最初の2つの要素の入力にあたり、アイアンサイトについた前方および後方サイトの設定を個別に調整して補正した。サイトの1つは高度、そして他のサイトは機速のためのものである。落下時間を延長する終端速度は、爆弾の実測された弾道に基づいた量だけ投下高度を引き上げることで説明できる。 風の影響を計算に入れるとき、計算はより複雑化する。どの方向からも風が作用する可能性があるため、一般的に爆撃照準器は、偏流を飛行経路に沿ったり横切って働く部分に変換することで再計算する。実際には普通もっと単純で、航空機は投下前にいかなる横方向の動きも完全に取り除くやり方で飛び、この要素を排除する。これは普通、横風着陸で使われる、クラビングやサイドスリップとして知られる一般的な飛行技術を用いて達成された。 爆撃照準器は特定の方向や狙点に合わされる照準装置である。上記の解決法の概要は空中位置を返してくるが、この位置を地面に対する角度へと変換するために、シンプルに三角法を使う事ができる。それから爆撃照準器はこの角度を表示するよう設定される。爆弾は標的が照準を通り過ぎる際に投下される。そのときの航空機と標的の間の距離とは射程であり、そのためこの角度はしばしば「射角」や「投下角」「照準角」と呼ばれ、ほか類似の用語もよく用いられる。実際には、こうした計算の一部または全ては空間位置ではなく角度を用いて実行され、最後の変換はスキップされる。
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