無料開放に関する民主党の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 03:35 UTC 版)
「高速道路無料化」の記事における「無料開放に関する民主党の主張」の解説
民主党は、「地方を活性化するとともに、流通コストの削減を図る」ことを最大の目的として、2003年(平成15年)の第43回衆議院議員総選挙以降一貫して「高速道路無料化」をマニフェストに掲げている。 これらのマニフェストの中で特に重要なのは、2009年(平成21年)8月の第45回衆議院総選挙マニフェストである。このなかの「マニフェスト政策各論」の項番30は、次のように述べている。 30.高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る政策目的 流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。 産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。 高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。 具体策 割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。 所要額 1.3兆円程度 マニフェストの3ページには、工程表が示され、高速道路の無料化については、2010年度と2011年度は段階的実施とされて斜めの線で表現され、2012年度からは完全実施のための必要額1.3兆円が明記されている。このため「2010年-2011年度の斜線の表現の意味」と「マニフェストは事実上修正されたのではないか」について、馬淵澄夫国土交通副大臣が、2010年(平成22年)8月2日の記者会見において、記者から問われる事態となっている。 上記の複数のマニフェストによると、維持・管理および債務返済の財源としては、「道路予算の一部振り替えと渋滞・環境対策の観点から例外的に徴収する大都市部の通行料でまかなう」としている。なお、2003年6月に菅直人民主党代表(当時)は、無料化の財源の私案として「車1台につき年5万円の課税」を一例として挙げたが、マニフェストに明記されたことは一度もない。 自民党は民主党の無料化案は非現実的であると一蹴している。しかし一方、麻生内閣は2009年から「生活対策」に基づき、一定期間の高速料金の引き下げ(「高速上限1,000円」など)を開始している。2009年の衆議院議員選挙において、高速道路無料化を公約に掲げた民主党が圧勝した。無料化が実現すればアメリカのフリーウェイやドイツのアウトバーン(アウトバーンは大型車は有料)などの先進国の主要道路と同様に、基本的に車種を問わずに無料となる予定だった。 しかしながら、JR各社をはじめとする鉄道やバス、船舶業界からの反発が根強い上、民主党が連立政権を組む社民党は「(ガソリン税の暫定税率撤廃と同様に)地球温暖化対策に逆行する上、余計な財源が必要」として、民主党に再考を求めており、また、行政刷新会議の中でも事業仕分けリストの中に取り上げられ、更に民主党の支持基盤であるJR総連・JR連合からも鉄道利用者の減少→整理解雇の危惧から見直しの声があり、完全実施に向けては業界やユーザーからの理解が必要とも言える。
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