深夜興行
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本作はロサンゼルスの映画館2館で2週間上映されたが、1800ドルしか稼ぎ出せなかった。興行の終り頃には、映画館がチケット売り場に「返金不可」の張り紙と「この映画を鑑賞すると、頭に何かを突き刺されたような感覚を引き起こします」と書かれた張り紙を張り出すようになった。公開2週目に本作を鑑賞した5セカンドフィルムズのマイケル・ルスレは、本作の酷い会話の中に意図せぬユーモアを見出した。「自分にとってのミステリー・サイエンス・シアター」を見出したルスレは、友人たちに本作の不出来を笑い飛ばす上映会に参加するよう勧めた。その上映会はルスレが想像していた以上の好評を博し、最終的には100カ所弱の映画館で上映会が行われた。ルスレとその友人たちは「3日に4回」本作を鑑賞したのだという。上映会の最中に、スプーンとフットボールを投げるという風習も生まれた。 ルスレによる上映会が終了した後、最後の上映会に参加した人々がウィゾー本人に感想文をメールで送っていった。予期せぬ量のメールに触発されたウィゾーは、2004年6月に本作の上映会を主催した。好評を受けて、ウィゾーは7月と8月にも上映会を開催することになった。デヴィッド・クロス、ポール・ラッド、ウィル・アーネット、パットン・オズワルト、ティム・ハイデッカー、エリック・ウェアハイム、セス・ローガン、ジェームズ・フランコ、デイヴ・フランコら著名人が本作のファンであることを公言しており、クリスティン・ベルに至っては、本作のフィルムを購入し、自分で上映会を主催しているほどである。『ヴェロニカ・マーズ』の脚本家であるロブ・トーマスは本作をイメージさせるようなものを出来る限りエピソード中に登場させるようにしたのだという。本作は全世界的にもカルト映画として認識されるようになり、ウィソーはアメリカ合衆国だけでなく、カナダ、英国、オーストラリア、北欧、ニュージーランドでも上映会を開催している。 現在、本作は世界中の映画館で定期的に上映されており、月一の上映会も頻繁に開催されている。『ロッキー・ホラー・ショー』のファンのように、本作のファンは上映会に行くとき、お気に入りのキャラクターと同じような服装をする。上映中にプラスチック製のスプーンを投げ、前後左右の観客の間でフットボールを投げ合い、本作の出来の悪さを非難するというのが習慣化している。 本作のいくつかのシーンで、リサの首の筋肉が不自然な動きをする。本作の上映会ではその不自然な動きに注目するのも恒例となっているが、このことに関してダニエルは「首の筋肉を不自然に動かすために、私は鏡の前で数時間練習したというのですか。ありえません。何故注目されているのか分かりません。」と語っている。 ウィゾーは上映会の盛り上がりに関して「『The Room』の上映会はアメリカの犯罪件数を引き下げました。すべきこともなく町をほっつき歩いていた若者たちの多くが『The Room』を見に行きました。そして楽しみました。『The Room』のない世界を想定してみましょう。人々は町をぶらぶらし、石ころを手にとって誰かに当たるまで投げるでしょう。誰かに石ころが当たったら、彼らは逮捕され投獄されます。これこそ『The Room』がない世界に起こる事態です。犯罪率は急騰するでしょう。私が何を言いたいかお分かりですね。」と語っている。
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