海賊版販売問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 20:16 UTC 版)
「App Store」の記事における「海賊版販売問題」の解説
2010年11月上旬ごろからApp Storeにおいて、村上春樹や東野圭吾等の小説や漫画を権利者に無断で電子書籍化した海賊版が、Appleの事前審査を通り販売されはじめた。権利者が海賊版の削除要請しても大半が違法配信され続ける、ひとつの海賊版が削除されてもまた新たに(Appleの審査を通り)配信されるなど、Appleの権利侵害行為に対する対応に関して、日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本電子書籍出版社協会、デジタルコミック協議会の4団体は2010年12月14日に声明を発表。著者や出版社以外からの提供は強く疑われるべきものとし、アプリの内容について事前審査(暴力や性的なものなど)しているにもかかわらず明白な著作権侵害行為をチェックしていない、権利侵害が発覚しても削除されず海賊版の販売が続けられている、削除要請窓口や削除手順を公開していない、違法配信によって直接利益を得ているにもかかわらず販売データを公開しないなどの問題点を上げ、「違法行為のほう助であり、それ自体が違法と判断せざるを得ない」と強く非難している。Appleは「知的所有権を保護する重要性を理解している」と見解を示したうえで、申し立てがあれば対処するが、確認に手間と時間がかかるため、著作権侵害かを事前審査する考えはない(Appleの日本法人の関係者)としている。 2012年3月18日、中国の作家団体がApp Storeで著作を無断販売されたとして、Appleに損害賠償を求めた訴訟の請求額が計5,000万元に達したと新華社通信は報じた。Appleは「知財権保護の重要性は理解している」とし、提訴には「適切に対応する」としている。 2012年12月28日、App Storeでの海賊版販売に対し中国の作家8人と企業2社によるグループが1,000万元の損害賠償を求めていた裁判で、中国の裁判所はAppleがApp Storeで海賊版の作品を販売したとして、Appleに100万元の賠償金支払いを命じる判決を下した。判決に関してグループの広報担当者は「判決には失望している。作家の中にはたった7,000元しか得られないのもいる。判決は海賊版を助長するシグナルだ」と述べた。Appleは著作権侵害の訴えを「非常に深刻に」受け止めているとし、広報担当者のキャロライン・ウーは「われわれは常に、著作権者の権利を守るためにサービスの向上に努めている」と述べた。
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