池原貯水池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 08:13 UTC 版)
ダムによって誕生した池原貯水池は「池原湖」とも呼ばれる。近畿地方最大の人造湖であり、全国的に見てもその大きさは屈指の規模である。2005年(平成17年)には地元である上北山村と下北山村の推薦を受けて、財団法人ダム水源地環境整備センターが選定するダム湖百選に選ばれている。ダム直下流には下北山スポーツ公園があり、キャンプ場やバーベキューなどが整備されているが、最大の特徴は公園からダムを真正面に、また真下から見ることができる。これは池原ダムがダム本体に洪水吐きを持たない非越流型のアーチダムであり、ダム直下には流水が存在しない。従ってダムの真下から放流を気にすることなくダムを見学することが出来る。真下から見た高さ110メートルの壁は圧巻である。 また池原貯水池はブラックバス釣りの名所としても知られている。池原ダムには日本でも珍しいフロリダバスが棲息することでも知られる。フロリダバスはオオクチバスの亜種(近年の見解では別種)である。池原貯水池はその地形的要因や人造湖自体の巨大さからバスが大型化する傾向にあるといわれ、ランカーサイズと呼ばれる全長50センチメートル以上の大物も多く棲息している。こうしたことから大物を目当てに全国からバス釣り愛好家が集まる。付近の七色ダムや坂本ダムもバス釣りの好ポイントであることから、北山川上流は日本有数のバス釣りスポットでもある。 ブラックバスについては河川・湖沼の生態系を著しく破壊するという意見から忌み嫌われる傾向にあるが、この地域はブラックバスを経済資源として肯定的に捉えている。地元下北山村による稚魚の定期放流が行われており、1988年(昭和63年)には1万匹のフロリダバス(真のフロリダバスだったかどうかは未確認)が放流されている。釣り大会のトーナメントも定期的に開催されており、こういった背景から、池原ダム湖は日本中のバス釣り愛好家のメッカともなっている。その一方でバスの持ち帰りによる弊害も報告されている。このため2005年(平成17年)の外来生物法施行後、池原ダム湖においても他のダム湖同様他地域から持ち込んだバスの放流や、池原貯水池に棲息するバスの持ち帰りを厳禁している。ただしキャッチ・アンド・リリースは規制の対象ではない。近年では貯水池の漁業権を保有する上北山漁業協同組合と下北山漁業協同組合が共同で、ニジマスの放流を開始してバス一辺倒の状況を修正しつつある。また池原ダム湖を含め北山川は吉野熊野国立公園の区域内であるため、釣り関連のゴミ放棄や自然の損壊は厳しく禁止されている。
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