気象観測
気象観測衛星「ひまわり」
人工衛星は、私たちの毎日の生活に深く結びついています。その代表的なものが、気象衛星です。テレビの天気予報で、雲の動きをよく目にしますが、これは日本の気象衛星「ひまわり」の画像です。「ひまわり」は、高度36,000kmの静止軌道に打ち上げられた静止気象衛星で、宇宙から雲の動きや地表の温度の分布、風向・風速などの観測データを収集して、刻々と地上に送ってきます。日中はもちろん、夜も赤外線で海面や雲の表面の温度分布を観測します。また台風が発生したときには、台風の目が周囲より温度が特に低い状態になるため、赤外線を使ってその動きを観測します。
「ひまわり」の撮影する画像は、ほぼ南極から北極をカバーしているので、日本周辺の東南アジアからオーストラリア上空まで観測を行なっています。
気象衛星の本格的な開発は、1960年にアメリカで始められました。現在は、日本の「ひまわり」、アメリカの「ゴーズ」、ヨーロッパの「メテオサット」などが稼動し、静止軌道上で世界の気象を観測しています。これらの観測データは、世界気象衛星機構ネットワークを通じて各国に配信され、国際線の飛行機や船舶などに気象予報として刻々と送られています。
ひまわり6号の登場でより高レベル、多面的な観測へ
2003年5月、静止気象衛星GMS-5(ひまわり5号)が一部中継機能を残して運用を停止しました。以降、日本の気象観測は、バックアップ用としてアメリカの気象衛星ゴーズ9号をレンタルして補っていました。その観測を引き継ぐべく2005年2月に打ち上げられたのがMTSAT-1R、ひまわり6号です。気象観測用のセンサー(イメージャー)を多チャンネル化したことで、気象観測の精度向上、天気予報のレベルアップなどが期待されます。チャンネルとは、可視1、赤外1~4の計5つです。従来のGMSシリーズと異なり、気象観測ミッションとともに、次世代の航空管制ミッションにも利用される、運輸多目的衛星となっています。2005年6月28日から気象ミッションの正式運用を開始しました。2005年12月には、MTSAT-1Rをバックアップする目的で運輸多目的衛星2号帰MTSAT-2の打ち上げが予定されています。
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