民間の無人潜水艇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/05 16:52 UTC 版)
民間の無人潜水艦は、主に沈没船や海底資源、深海の海洋生物などの探査に使われる。操作は自動で行うことはほとんどなく、もっぱら人が遠隔操作する。 深海においては、水温が数℃と極低温であり途轍もない水圧もかかるために人間が行くのはかなりのリスクを生じることもあり、しばしば「宇宙よりも悪条件」とすら表現される(実際、例えば単純に圧力差という点を考えても、宇宙ではたかだか1気圧の内圧を保持すれば良いのに対し、深海ではその何倍もの外圧に耐えなければならない)。何日間も加圧/減圧室で身体を慣らしてから行き返りする必要があり、潜水服も高価で技術も要する。また減圧症(高圧によって体内に入り込んだ窒素が、十分な時間をかけずに減圧することで気泡となって現れ、重症な場合は生命の危険を伴う場合がある)や窒素酔い(体内に溶けた窒素が、深度下でよっぱらい<多幸感等>に似た症状を引き起こし、二次的に判断力低下から呼吸維持装置を取り去る危険もある)といった潜水関連傷害の危険性もある。 そのために無人潜水艦にカメラを取り付けて沈没船や海底を調査させたり、海底生物や堆積土のサンプルを持ち帰ったりするのに使われる。あるいは有人の海底探査を行う際の事前調査にも使われる。 現在、多くの国の研究機関がこういった無人潜水艇を所有している。海底ケーブルの点検にも用いられるよう、開発が進みつつある。 また、海洋の無人巡回探査などを目的として海洋研究開発機構が完全自立巡航を行う無人潜水艦うらしまの研究開発を行っている。長時間の活動を支える為に閉サイクルディーゼルエンジンや燃料電池が用いられる。
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