民間の臍帯血バンク(私的保存)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:05 UTC 版)
「臍帯血」の記事における「民間の臍帯血バンク(私的保存)」の解説
一方、臍帯血の将来の再生医療での利用に期待して、自身の臍帯血を子供本人のために保存しておくというビジネス(民間臍帯血バンク)が米国を中心に拡大している。日本でも自己臍帯血の私的保管事業を行なっている会社が数社存在する。ただし、民間の臍帯血バンクによる私的保存については利用できる細胞数についての懸念や自己さい帯血移植についてのデータが少ないことなどが表明されている。自己臍帯血ではGVHDが無いというメリットがあるかわりに、GVL効果(移植片対白血病・リンパ腫・骨髄腫効果)がないので白血病やリンパ腫の再発率が高いというデメリットがあり、細胞数が保障されない点は決定的に不利な条件である。また、臍帯血採取に慣れていない医師によって採取された臍帯血には細菌が混入している可能性もある。成人への移植には有核細胞8億個が目安だが、有核細胞が8億個以上の臍帯血は3割程度であり、有料で保存しておいた自己臍帯血がいざと言うときには細胞数不足で、結局は使えないというケースが多いことが予想される。幹細胞を増やす技術も確実なものでは無い。また、日本では私的保存を行っている民間の臍帯血バンクのひとつが2009年12月に倒産し、倒産した臍帯血バンクの社長は同業の民間臍帯血バンクへの移管は「引受先にきちんとした保管技術や施設があるかどうか分からず、どう扱われるか心配だ」と話しているとのことである。
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