民生用燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/14 08:37 UTC 版)
石炭や練炭が主な燃料である中国では、2005年ごろより硫黄酸化物や粒子状物質などの大気汚染物質削減と豊富な国内の石炭資源の有効利用を目的に、山東省、四川省などで使用が開始された。その後、急速に各地に広まり、年産100万トン以上の高効率プラントの運用も始まって、すでに全国の生産能力は1000万トンに達している。実際のプラント稼働率はまだ低いが、ほとんどが民生用の都市ガス燃料の成分としてプロパンに配合して使用されている。 旧NKK(日本鋼管)(現JFEホールディングス)がガスコンロを使ってジメチルエーテル単独(ニートDME)の燃焼実験を行った結果、LPG用は使用不可だった。都市ガス用13Aの空気混合ダンパーを少し絞れば問題ないが、パッキン、シール剤などの部品はLPG用だと劣化して使えないため、ニチアスが新たにジメチルエーテル用の部品の開発を進めている。 プロパンとの混合に関しては、エルピーガス振興センターでLPG用器具を使って燃焼テストをしたところ、20%以下なら全てのLPガス器具が改造しなくても使えるという結果が出ている。中国でもDME混合比を20%以下に抑えて供給している。 また、混合比率を上げると燃焼速度が速まり、発熱量が下がるが、若干の機器改造を行えば、混合比を40%にまで高められることも分かった。 燃料を実際に使用する際には高圧ガス保安法など様々な規制があるため、LPGと同程度の規制緩和が適用されている釧路市(釧路・白糠次世代エネルギー特区)などのように、関税を無税とする緩和措置あるいは構造改革特区での申請が必要である。 エルピーガス振興センターは、平成20年度にLPGとDME (20%) との混合ガスの一般家庭での実証試験を、横浜市鶴見区大黒地区周辺で実施し、合わせて市販器具の適性判定方法、基準を作成した。
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