武装および防弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 03:23 UTC 版)
主兵装である航空魚雷には、九一式航空魚雷改三(開発開始当初は改二)を予定していたが、B6N1試作機での雷撃実験の結果、強度不足が明らかとなったため、改三を補強した九一式航空魚雷改三(改)または改三(改)の改良型である九一式航空魚雷改三(強)が搭載された。九七式艦攻同様、懸吊位置を機軸より右に寄せることで潤油冷却器用空気取入口との干渉を避けている。雷撃実験で明らかになった高速雷撃時の魚雷の海面跳躍対策として、機軸に対して魚雷を2度下向きに懸吊するようにした他、空中雷道と海面突入角の安定用として魚雷の尾部に取り付けられる框板を、従来の九七式から高速雷撃に適合した四式に変更している。 後上方銃座の他に後上方銃座の死角となる後下方からの襲撃に備えて収納式の後下方銃座を装備している。後下方銃座は、昭和15年頃に研究されていた800kg爆弾を用いた高高度水平爆撃時の使用を想定して装備されたものだが、実際には敵戦闘機の迎撃を受けやすい水平爆撃はほとんど行われず、低空雷撃が主な攻撃法となっていたことと、銃座を射撃可能状態にするのに時間がかかるため使用頻度は低かった。 B6N1 70号機までは、日本海軍の艦上攻撃機としては珍しく左主翼内に7.7mm固定機銃を搭載していた。これは雷撃時に敵艦の対空機銃を制圧するために装備されたものだが、71号機以降は廃止されている。 また、昭和19年4月から開発が進められていた対潜水艦用有翼旋回魚雷「空雷六号」の母機として、B6N1及びB6N2が予定されていた。 防弾装備については不明なところが多いが、燃料タンクに炭酸ガス噴射式の消火装置が装備されている。しかしこれでは不十分であったため、昭和19年10月に自動防漏式タンク装備機が試作されたが、不具合が多く量産には至らなかった。
※この「武装および防弾」の解説は、「天山 (航空機)」の解説の一部です。
「武装および防弾」を含む「天山 (航空機)」の記事については、「天山 (航空機)」の概要を参照ください。
- 武装および防弾のページへのリンク