機関銃及び自動式拳銃の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 18:42 UTC 版)
「ジョン・ブローニング」の記事における「機関銃及び自動式拳銃の開発」の解説
ショットガン開発を進める中、ジョンはショットガンの射撃時に発生するガスの余剰エネルギーに注目し、これを次弾の装填に利用できないかと思案した。そこでジョンはレバーアクションライフルの銃口に余分な発射ガスが漏れないようにキャップを取り付け、研究を開始した。そしてキャップの中央に弾丸が通る穴を開け、キャップの下部には銃のレバーと連動するように連結用の金属棒を取付けられた。これにより射撃時に起こる発射ガスがキャップに連動し連結棒から自動的に銃のレバー部分に連動し次弾を装填する仕組みである。この試作銃は動作に成功したがセミオートマチックでの射撃のみで給弾の問題も起こってしまった。そこで給弾の問題の解決にジョンが注目したのが、カウボーイ達が身に着けていたガンベルトである。横一列に並べられた弾丸に注目したジョンは自ら弾薬を並べられるように弾帯を作成し、これを銃の機構部に装填することにより連続して射撃が行える、いわゆる「機関銃」の開発に成功するのである。その後金属製の弾帯をも作成し、ジョンとマシューはこの機関銃が軍事目的に使用されること望んだことから、それまで売込みを行っていたウィンチェスター社ではなく、軍用銃器メーカーとして当時有名であったコルト社にこの試作機関銃の売込みを行った。 この機関銃にコルト社が興味を示したことから、ジョンとマシューは1893~1895年の間に何度も大陸を横断しコルト社の本社を訪問し、その間にこの試作銃の設計変更や作動方式などの改良を何度も行った。そして1895年に6mm口径の弾薬を利用したコルト・ブローニングM1895重機関銃として販売されることとなった。この機関銃には現在のマシンガンの多くで使用されている給弾機構「ガス・オペレーション式」が使用され、それまで機関銃の機構として用いられてきた手回し式のガトリング銃を完全に過去の物としたのである。 またこの時期、ジョンは機関銃で開発に成功しているガス・オペレーション式機構を拳銃にも使用し、それまでのリボルバー式拳銃の自動式化にも成功し、1897年の8月に特許を取得、コルト社はこの自動式拳銃の製造権を買取り生産を開始している。一方、ガス・オペレーションで拳銃弾を射撃した場合、反動が大きいことから拳銃弾ではガス・オペレーション式には向かないことが発覚する。そこで新たに射撃の際に内部のボルト部分を一瞬遅らせ連動させる「パラレル・ローラー・ロッキング式」・「ローテーティング・バレル式」と呼ばれる機構を考案し、特許を得ている。1900年にはこの内の一つ「パラレル・ローラー・ロッキング式」を使用した拳銃の開発に成功し1896年に特許を取得、製造権を買取ったコルト社によりコルトM1900として、販売され、M1900はアメリカ国内で初のオートマチック式拳銃となった。M1900はその後改良を重ね、バリエーションとしては口径や安全装置などを変更させたM1902・M1903・M1905・M1908を開発、これらはすべてコルト社によって生産・販売されることとなった。
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