横須賀線2扉車の扉増設改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/19 01:35 UTC 版)
「国鉄51系電車」の記事における「横須賀線2扉車の扉増設改造」の解説
1963年から1964年にかけて、横須賀線に残る2扉のクモハ43形、クモハ53形(42系)、クハ47形(32系)、サハ48形(52系)に対し、激化した通勤輸送に対応し、3扉の70系と混結した際の乗車位置を揃え、整列乗車を乱さないようにするため、大船工場で車体中央部に客用扉を増設し、3扉に改造する工事が実施された。改造後は、クモハ43形がクモハ51形(200番台)に、クハ47形がクハ68形(200番台、210番台)に改められたほか、クモハ53形とサハ48形は、それぞれクモハ50形、サハ58形と新形式を与えられた。このうちクハ47002のみは飯田線で使用されていた車だが、改造時期、新潟地区への転出時期ともに横須賀線所属の他車とほぼ同じである。改番の状況は次のとおりである。 クモハ50000 ← クモハ53002 クモハ50002 ← クモハ53003 クモハ50004 ← クモハ53004 クモハ50006 ← クモハ53005 クモハ50008 ← クモハ53006 クモハ51200 ← クモハ43002 クモハ51202 ← クモハ43008 クモハ51204 ← クモハ43014 クモハ51206 ← クモハ43024 クモハ51208 ← クモハ43032 クハ68200 ← クハ47002 クハ68210 ← クハ47072 クハ68211 ← クハ47073 サハ58000 ← サハ48029 サハ58010 ← サハ48032 サハ58011 ← サハ48033 サハ58020 ← サハ48030 サハ58021 ← サハ48031 サハ58050 ← サハ48035 このうちクハ68形200番台はクハ47形原型車、クハ68形210番台はサハ48形改造車からの改造車である。サハ58が両数の割に番台区分が細かいのは種車がそれぞれ異なる(0番台 ← 狭窓流電編成のサハ48形、10番台 ← 半流43系編成のサハ48形、20番台 ← 広窓流電編成のサハ48形、50番台 ← 広窓流電編成の旧サロハ66形改造のサハ48形)ためであり、サハ58050は更新修繕時に張り上げ屋根を残した姿のままで登場している(後年、雨樋を他車と同じ高さに改造されたが、他車が木製であったのに対し鋼製であった)。また、クモハ50形の登場によって同じ42系改造車で出力強化型のクモハ51073をクモハ50に編入してもおかしくはなく、クモハ50051と改番する計画もあったようだが、結局改番はなされないままクモハ51830に改造された。本グループの側面窓配置は、中央部に新設された扉の後部にHゴム支持の独立した戸袋窓を設けた前後非対称とされ、クモハ51073とは異なっている(例えば、クモハ50形・クモハ51形200番台は、d1D24D142D2)。これらの改造車が横須賀線で使用された期間は短く、113系の投入に伴い、1965年までにクモハ51形200番台が身延線および飯田線に、クモハ50形が飯田線に、クハ68形200番台、210番台が70系とともに新潟地区に、サハ58形が京阪神緩行線と岡山地区にそれぞれ転出している。 なお、クモハ50006は、出場直後の1963年11月9日に発生した鶴見事故に巻き込まれ、車体は原型をとどめないまでに粉砕されてしまった。
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