様々な食品の賞味期限後の状態変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 03:17 UTC 版)
「賞味期限」の記事における「様々な食品の賞味期限後の状態変化」の解説
以下に示すのは、賞味期限が経過してなお所定の状態で保存し続けた場合の状態変化である。前述の通り賞味期限は製品としての風味が保証される期限で、これの経過後に直ちに喫食に適さない状態になる訳ではなく、例えば賞味期限経過直後(賞味期限+1日など)で直ちに以下のような状態になる訳ではない。衛生さえ問題なければ食べられる。 この状態変化は、賞味期限内でも保管状況によって程度の差こそあれ常に進行している状態変化で、賞味期限を大きく過ぎると以下のような問題が顕著化するが、保存状態が悪いと賞味期限内でも発生しうる状態でもある。なお農林水産省はごみ問題にも関連して、「期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません」と述べている。 缶詰 液体である場合は成分が比重により分離してしまう。例を挙げれば果汁ジュースの場合、繊維分が沈殿し、缶コーヒーの場合は乳製品に含まれる脂肪分が浮上・凝固してしまう。このため比重により沈殿ないし凝固しやすい成分を含む缶入り飲料では「飲む前によく振ること」や、そのような状態変化があっても品質に問題が無いことを明記してある製品も見られる。 液体中に固形物の食品を入れてある物では、液体中に固形物の成分(特に味を決定するもの)が溶け出して固形物の風味が損なわれる一方、液体が固形物に浸透して、固形物がふやけ、歯応えが損なわれてしまう。更には缶の金属(錫)が食品中に溶け出し、食品が金属臭を帯びてしまう。また腐食により缶に穴が開いた場合に、内容物が腐敗する。 インスタント麺・スナック菓子など油で揚げた食品 食品に残った油分が酸化してしまい、酸化油脂特有の油臭さによって吐き気・ムカ付きを催させて飲食する意欲を減退させたり、飲食した場合に飽和脂肪酸によって、内臓疾患や動脈硬化等の健康被害を受ける危険性が挙げられる。 冷凍食品 所定の保管温度(摂氏マイナス18度以下)であっても、食品中の水分は昇華現象によって絶えず蒸発し続けるため、消費期限を過ぎて保管された冷凍食品は総じて、フリーズドライ状態により乾燥してパサパサになってしまう。また、パッケージが水分を通さないプラスチック類でできた袋である場合は、蒸発した水分がパッケージ内で再結晶化して凍結し、部分的に水浸しとなって解凍後の風味が落ちる。 保管状況が芳しくなく、一度溶けた後に再凍結させた場合には、食品中に氷の粒が発生する。消費のために解凍すると、そこから水分が抜けて歯応えが悪くなってしまう。また、溶けている最中に腐敗した場合、腐敗状態のまま再凍結されることから食中毒の原因ともなる。
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