根深ネギの栽培
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 03:10 UTC 版)
根深ネギ(長ネギ)は、春(3月- 4月)に種をまいて苗を作り、初夏(6-7月)に苗を畑に植え付ける。白い部分を育てるには、日を当てないように株に土寄せすることが重要になり、1か月に1回の頻度で土寄せと追肥を行っていく。秋(10月ごろ)からが収穫期で、翌年の初春(3月)を迎えるまで冬の間は長い期間収穫できる。根深ネギは土寄せを繰り返しながら葉鞘部を長く育てるので、土の量が制限されるプランター栽培には向いていない。F1種の根深ネギは、見た目よく直線的に育てるのが基本であるが、在来種の曲がりねぎ群は、栽培される産地で冬季に土壌が凍るため、浅く斜め横向きに苗を植えて、わざと曲げて作られる。 種子は発芽率は悪い方で嫌光性であるので、少し多めに種蒔きしてから覆土をして、乾燥させないように水やりをする。発芽して苗ができたら覆土と追肥を行って、株間に隙間が空くように間引きを行っていく。初夏に鉛筆くらいの太さに育った苗は、日当たりのよい深く耕せる畑に溝を掘って元肥を入れて植え付けし、覆い土をしていく。植え付け前の畑は元肥は必要とせず、日当たりのムラを無くす目的で東西方向に深さ30センチメートル (cm) ほどの溝を掘ったところに、苗を自立させる。長ネギの根は多くの酸素を吸収する性質があり、完全に土に埋めると酸素不足で生育が悪くなる。これを防止するため、掘った溝の中に藁や刈り取った雑草を入れることが行われる。根深ネギでは、定植後は2週間に2度の間隔で追肥と土寄を行って、茎を白くする軟化栽培を続けていくが、一度に土を被せてしまうと生長できなくなるため、苗が伸びるにしたがって葉の分かれ目まで土を被せるように、少しずつ分けて土寄せが行われる。土寄せで葉鞘が遮光されると、白く柔らかくなるのに3 - 4週間ほどかかる。秋に気温が下がってくるとネギが甘みが増して収穫期となり、春にネギ坊主が現れて固くなってしまう前までに収穫が行われる。 種をとる場合は、交雑しやすいことから多品種とは離隔された形の良い優良なネギを畑に残し、ネギ坊主が黒く結実したころに種をとる。
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