松木宗子と中御門資熈とは? わかりやすく解説

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松木宗子と中御門資熈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 03:45 UTC 版)

中御門資熙」の記事における「松木宗子と中御門資熈」の解説

東山天皇即位後、江戸幕府霊元上皇院政阻止しよう動き、これについては東山天皇関白近衛基熈も同じ考えであったが、大きく異なっていたのは幕府当面措置として天皇生母である松木宗子大典侍上臈局を経て准后、後に女院として「敬法門院」と称する)を前面押し出したことにある。かつては松木宗子は夫である霊元上皇と一体とみられていたが、近年の研究では上皇協力しつつも、独自に幕府との密接した関係を構築していたこともしられている。その中で台頭してきたのが「准后執権」(『基熈公記元禄11年5月4日条)と評され議奏中御門資熈であった元禄7年1694年)に議奏であった清水谷実業勧修寺経慶が失脚すると、朝廷実務議奏の中で唯一蔵人頭頭弁)を経験していた資熈に職務集中した当時議奏仕事として、天皇対す奏上天皇からの宣下に関する事務やそれに関係して関白以下の廷臣天皇会見をする際の日程調整などを行っていた。しかし、資熈は松木宗子の意に沿いながら自己の都合の良いように業務執り行い時には自分都合の悪い決定妨害することもあった。勿論、廷臣たちは後宮長橋局経由するなどの別の連絡経路有していたが、議奏関与していない奏上宣下法的には有効ではなかった。しかも、当時長橋局である櫛笥賀子はまだ若く松木宗子やその母の東二条局河秀子の指示受けて業務行っていたため、資熈は宗子通じてその情報手に入れることが出来た東山天皇近衛基熈はこうした事態に対して元禄10年1697年京都所司代松平信庸に資熈の排除申し入れる同意得られ失敗終わっている。江戸幕府としては東山天皇親政支えるためには実務明る人物側近に置く必要を感じており、蔵人頭議奏務めた資熈はその要件備わった人物考えられていたことによる。しかも、当時江戸幕府においても将軍徳川綱吉生母である桂昌院側用人務めた側近柳沢吉保大きな影響力持っており、桂昌院や吉保の手前、宗子や資熈の排除は困難であった京都所司代では、小笠原長重松平信庸前任)や松平信庸東山天皇行跡問題がなく、親政上手くいっているのは現在の体制(すなわち、宗子と資熈の補佐)の功績公言している(『公通記』元禄9年9月17日条、元禄10年7月10日条)。 しかし、元禄12年入り、松木宗子と中御門資熈が東山天皇廃して弟の京極宮文仁親王立てようとしているとする風説生じる。この風説真偽不明であるが、この噂を好機捉えた東山天皇近衛基熈は直接徳川綱吉現状訴え出て宗子と資熈の影響力排除申し入れた近衛基熈の嫡男の家熈の上臈(事実上側室)である町尻量子叔母右衛門佐局綱吉付の筆頭年寄であり、天皇と基熈の意向が町尻兼量(右衛門佐局実兄量子の父)を経由して大奥右衛門佐局届けられ、彼女か綱吉への口添えがあったのである。資熈によって公的な経路では遮断されていた情報が、大奥経由綱吉届けられ結果5月3日に資熈は議奏辞任追い込まれ、3か月後に幕府意向名目として逼塞処分追い込まれた。宗子直接処分は受けなかったものの、同月に母の河秀子が宮中からの退出命じられ同様に政治的影響力を失うことになった

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