東京オリンピック開会式
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「ラティール・シー」の記事における「東京オリンピック開会式」の解説
2020年12月中、広告代理店がラティールに翌年の東京オリンピックの開会式への出演を打診。広告代理店からは、セネガル人の弦楽器奏者と日本人のタップダンサーがメインで出演すると説明があり、ラティールは引き受ける。オンラインで打ち合わせを重ね、ラティールは歌唱と打楽器を担当することとなった。日誌をつけること、他の仕事を断ること、毎日の体温を記録することなどが細かく命じられ、4月22日には開会式出演の取り決めなどに同意する書類にサイン。送られてきた文書には開会式のプランは極秘である旨の言葉が記載されていた。 ところが、4月末に始まる予定だったリハーサルは延期になった。5月上旬、マネジメント会社に問い合わせると、「出演がキャンセルになった」と電話で告げられる。理由を尋ねると、会合の場が設けられた。現れたのは広告代理店の担当者だった。代理店の説明によれば、オリンピック組織委員会側が次のように言ったという。もしラティールが出演すれば「なぜアフリカ人がショーに出てるんだ?」と観客はきっと疑問に思う、だからラティールに出てもらうことはできない、と。組織委は「なぜここにアフリカ人が?となれば、他の国籍も入れないといけないという話になる」とも指摘し、ラティールとセネガル人の出演をキャンセルするよう、代理店に求めた。 ラティールは開会式前日の7月22日、ことの顛末を自身のFacebookで公表。開会式をめぐっては、作曲担当の小山田圭吾が90年代の雑誌インタビューの内容が問題視され7月19日に辞任、ショーディレクター担当の小林賢太郎がラーメンズ時代のコント内容が問題視され7月22日に解任という異常な事態となっており、ラティールの投稿は読者らによってSNSで拡散された。ラティールは翌23日、英国の『インデペンデント』の取材に応じ、「黒人であるという理由で組織委員会が出演予定者を排斥した」と告発した。「完全にあれはレイシストだ。だって『なんでこの男が? なんでアフリカ人なんだ?』と言ったと確かに僕は聞かされたのだから。もちろんその手のことは山のように見てきたし、いやな気持ちもずいぶん体験してきた。でもこれはオリンピックなんだよ。どう考えてもそぐわないじゃないか。それでも僕は沈黙しなくてはいけないのか」とラティールはインタビューに答えている。 組織委戦略広報課と広告代理店広報部は、メディアの取材に、出演見送りの理由を「感染症対策と予算の制約」と回答している。出演を取り消した音楽家がほかにいるのかは明らかにしていない。
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