最低賃金制度導入後(2014年7月)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 07:27 UTC 版)
「最低賃金 (ドイツ)」の記事における「最低賃金制度導入後(2014年7月)」の解説
その結果、2014年7月、ドイツ下院はドイツ国内の最低賃金を時給8.50ユーロとする法案を可決した。この法律は2015年1月から施行された。下院での採決では法案賛成が圧倒的多数であり、投票数605のうち賛成が535票、反対が5票、棄権が61票という結果だった。この当時の最低賃金水準はフランスの時給9.43ユーロには劣るが、英国の6.31ポンド(換算値約6.50ユーロ相当)や米国の7.25ドル(約4.20ユーロ相当)よりも高い。最低賃金導入はアンゲラ・メルケル政権の連立与党である中道左派ドイツ社会民主党の重要課題だった。ドイツ副首相のジグマール・ガブリエルは「これはドイツにとって歴史的な日である」として最低賃金法の立法化を歓迎した。 そして、2020年1月から連邦労働社会省(BMBF)主導の下で「職業教育近代化法(BBiMog)」が成立し、職業訓練最低手当(MAV)が定められ、適用除外されていた職業訓練生(Auszubildende, Azubi)」に対して、最低賃金を適用することが決まった。 最低賃金の導入によって、労働協約を締結していない訓練生、あるいは美容や飲食などの賃金が低い業種の訓練生、旧東ドイツ地域の小規模・零細事業主のもとで働く訓練生等の待遇改善につながることが期待されている。 ただし、施行予定日の2020年1月1日以前に締結した労働協約は、逸脱が可能で、その場合は最低賃金を下回る設定が出来てしまう。 一方、「実習生(Praktikant)」は、企業で研修する者を指し、原則として法定最低賃金の適用対象である。しかし、例外的に一部の大学や校則等で、履修課程の一環で義務として実習を行う場合等は、最低賃金法22条によって、法定最低賃金の適用対象外とされる。 なお、今後導入予定の月額最低賃金が、このように法定最低賃金の適用対象外となっている一部の実習生にも適用されるかについては、政府広報や現地報道等でまだ明らかにされていない。
※この「最低賃金制度導入後(2014年7月)」の解説は、「最低賃金 (ドイツ)」の解説の一部です。
「最低賃金制度導入後(2014年7月)」を含む「最低賃金 (ドイツ)」の記事については、「最低賃金 (ドイツ)」の概要を参照ください。
- 最低賃金制度導入後のページへのリンク