曽木の滝分水路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 14:12 UTC 版)
「川内川」も参照 2006年7月に九州地方を襲った平成18年7月豪雨により、川内川流域は全川で甚大な被害を受けた。災害復旧と浸水被害の軽減のため、国土交通省九州地方整備局により、川内川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)が実施され、洪水の流下を妨げる狭窄部の一つである曽木の滝には、左岸側を迂回する曽木の滝分水路が建設された。 曽木の滝は地域における重要な観光スポットで、自然景観の保全に配慮する必要があることから、熊本大学景観デザイン研究室および空間情報デザイン研究室の協力により詳細な景観検討が行われ、右岸の曽木の滝公園からの景観の変化が最小となるように流路が決定された。全長約400メートル、幅約30メートルにわたって掘削された河道は岩肌を活かす仕上げとされ、平常時は農業用水の導水により、親水性のあるせせらぎ水路となっている。また、管理用通路を地形に合わせた変化のある構造として各所に階段を設置、回遊性を確保した動線とするなど、防災施設としての治水機能のみならず、観光拠点としての付加価値の向上にも重点がおかれている。工事で発生した大量の掘削岩は下流に建設された推込分水路の工事資材として活用された。 自然景観の保全に配慮しながら治水機能を向上させ付加価値を創出したことが評価され、2012年のグッドデザイン賞および特別賞のグッドデザイン・サステナブルデザイン賞(経済産業大臣賞)を受賞した。
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