書写法と使用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 05:10 UTC 版)
用具は、いずれも霊符書写という霊的作業に用いるのだから品質は十分重視する必要がある。 筆 - 大半の符は朱と墨があれば間に合います。最低限、墨用の筆と朱用の筆一本ずつ、合計二本の筆があれば大丈夫だ。後の説明での書くために必要な道具が多いため二つ準備する必要がある。 墨と朱墨 - 墨には唐墨(中国産の墨)と和墨(国産の墨)の二つがある。符を書く場合には、青味がかかっている墨を使用する。また、朱墨を用いる際は、濃い色のものを使用することが義務付けられている。 書写用の紙や板 - 特に指定がない限りは白紙に書くのである。和紙や黄紙に書くこともある。たいていの人がきれいな紙に書くことが命じられている。汚い紙や秘儀れている紙など味覚場合は効果が薄れてしまうため意味がありません。 硯 - 硯の場合も、筆と同様に二つ用意してあるのが好ましい。上記で記載している通り、筆と墨が二種類常備されているので二つ用意することが命じられている。ただのペンなどで書いた場合は全く効果がないのである 水 - 符の書写には当然、水が必要になるのである。水もただの水ではなく、清めてある水を使用することでより良い効果を期待できる。また、少量の水よりも大量の水を用意しておくことが基本的である。 霊符は、一定期間の斎戒の上で書写することが原則となっています。「斎戒」とは心身の清浄を保ち、禁忌を犯さないことである。同じような意味で「潔斎」という言葉があり、これも宗教的な儀式などの前、一定の間、酒や肉などを慎み、沐浴などをして心身を清浄にすること。「斎戒沐浴」などと呼ばれている。このようにして心身を清めることで、初めて紙に感応できることを熟知しておくことが必要だ。また、霊符は吉日を選んで書写することを推奨している。『日本書紀』に載っている、「時日を卜定して」・「吉日を撰びて」や『延喜式祝詞』にある、「八十日日は在れども今日の生日の足日に」を見るまでもなく、古くからことを行う際には吉日が選ばれる。これはもちろん、霊符の場合も同様である。符によっては、その特性または神霊との関連で、作成する日が厳密に規定されていて、例えば、「五岳真経図」は、東西南北中央の五つの山の形を示す、五つの霊図からなっているが、それぞれは春・夏・秋・冬・土用に書写する規定となっている。ちなみに、書写に適当な時間は、霊的なパワーが非常に高まるとされている、子刻から丑刻、つまり、真夜中の十二時ころから午前二時ころまでがよいとされ、また書写もできるだけこの時間帯を選ぶのがよいとされている。霊符はそれ相応な心構えをしなければならない。霊符は、神秘的な霊力を持つ神文秘形の組み合わせからなるものであり、したがって、それを書写するときは、一運筆といえどもおろそかにすることは許されない。たとえ一点、一画であろうと、過不足があってはならないのである。霊符の力によって鬼などを駆逐できるのは、文字や図形などそれぞれに霊妙な意味があり鬼神がそれを知っているかに他ならない。きちんと書写しなければ、対峙することはできなくなり、また、自分自身に害を受けることになってしまう。 以上の規則を守って書写しなければならない。
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