映画版について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/03 02:08 UTC 版)
映画版のタイトルに付された「アンダンテ」(andante)とは、楽譜に記される演奏記号の一種で、「歩くような速さで演奏する」という意味である。 ほぼ原作どおりのストーリーだが、上映時間の制約から一部のエピソードが整理されている。また、原作では千華が大卒なのに映画では大学中退など、設定にも一部変更がある。娯楽性を向上させるために晋平の性格が、ややお調子者的に描かれている。またオリジナルキャラクターとして原作には登場しない駅長(中条きよし・友情出演)が登場して、毎回駅舎に味わい深い標語を掲示し、物語にアクセントを与えている。原作が全文手紙形式で書かれた書簡体小説である点は、その書簡の原文をナレーションという形で効果的に活かしつつ、ナレーションが多くなり過ぎないように配慮されている。 原作において、農業に関する考証は、千葉県匝瑳郡光町(現・山武郡横芝光町)で自然農業に取り組んでいる稲作・養鶏農家から教示を受けたという(原作の巻末に表記)。そのため、映画版も横芝光町を中心に撮影が行われた。ただし、鉄道のシーンは千葉県市原市の小湊鉄道および同線の上総鶴舞駅を「横芝光町駅」に看板を変えて撮影が行われた。なお、原作の舞台は千葉県矢沢郡三喜(みよし)町という架空の地名であり、千華が乗降する駅も三喜駅となっている。 映画公式パンフレットによれば、映画のクライマックスシーンに欠かせない稲穂を実らせた水田が、日照不足や台風被害で撮影が可能かどうかの判断の別れ際の状態にあり、一時は茨城県の水田での撮影も考慮するに至ったが、「これまで撮影でお世話になった横芝光町の皆さんのためにも横芝光町で撮りたい」と、最終的には監督の熱意に動かされて周囲が一丸となり、横芝光町での撮影にこぎつけたという。
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