明日に架ける橋 (アルバム)とは? わかりやすく解説

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明日に架ける橋 (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 14:47 UTC 版)

『明日に架ける橋』
サイモン&ガーファンクルスタジオ・アルバム
リリース
録音 1969年
ジャンル フォークロック
時間
レーベル コロムビア・レコード
CBS・ソニー(日本盤)
プロデュース ポール・サイモンアート・ガーファンクルロイ・ハリー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(アメリカ・Billboard 200[2]、イギリス[3]、日本・オリコン[1]
  • サイモン&ガーファンクル アルバム 年表
    ブックエンド
    (1968年)
    明日に架ける橋
    (1970年)
    グレイテスト・ヒッツ
    (1972年)
    テンプレートを表示

    明日に架ける橋』(原題: Bridge over Troubled Water)は、サイモン&ガーファンクル1970年に発表したアルバム。通算5作目のスタジオ・アルバムで、グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞。本作を最後に、サイモン&ガーファンクルは事実上解散する。

    解説

    ポール・サイモンもアート・ガーファンクルも東欧ユダヤ人がニューヨークへ移民した家系で、両者とも敬虔なユダヤ教徒であったという記録はないが、この歌の題名と主題はゴスペル・シンガーのクロード・ジーター(Claude Jeter)が作った「水の中を通る時も、わたしはあなたと共にいる。」(『旧約聖書イザヤ書43章2節)という一節がインスピレーションを与えたと、音楽批評家のアンソニー・ヘイルバット(Anthony Heilbut)は言い、両者は後にジーターへ多額のチェックを贈って支払ったという[4]

    1969年、ガーファンクルは映画『キャッチ22』(監督:マイク・ニコルズ)出演のため多忙となり、アルバムのデモ・レコーディングでは、ガーファンクルが不在のことも多かった。アルバム収録曲「ニューヨークの少年」の歌詞は、サイモンがガーファンクルに向けて送ったメッセージとなっている[1]。映画の撮影が終わると、ガーファンクルもレコーディングに合流するが、2人は対立することが多くなった。

    アルバムは、1969年前半に全米7位のシングル・ヒットとなっていた「ボクサー」、ロス・インカスの演奏に歌をつけた「コンドルは飛んで行く」、ライヴ録音によるエヴァリー・ブラザーズのカヴァー「バイ・バイ・ラブ」[注 1]も含む11曲入りとなり、当時のアウトテイクのうち、「木の葉は落ちて」のデモ・ヴァージョンは、2001年に本作がリマスターされた際にボーナス・トラックとして収録された。

    1970年1月に本作がリリースされると、多くの国のヒット・チャートで1位を獲得。本国アメリカでは、10週に渡ってBillboard Pop Albumsで1位となった。イギリスでは初登場時から13週連続で1位を獲得し、その後も何度か返り咲いて、通算33週に渡って1位を獲得するほどの大ヒットとなった[5]。日本でも、翌1971年2月1日から7週連続で、オリコンLPチャートの1位となった。また、シングル「明日に架ける橋」も全米・全英1位を獲得した。

    しかし、同1970年7月18日のフォレスト・ヒルズ・スタジウム (Forest Hills Stadiumでのライヴを最後に、サイモン&ガーファンクルは活動を事実上停止した。1971年にはグラミー賞授賞式に2人揃って出席し、その後度々再結成もされているが、デュオ名義でのスタジオ・レコーディングは、1975年のシングル「マイ・リトル・タウン」と2004年発表の「シチズン・オブ・ザ・プラネット」のみで、1983年に制作されていた再結成アルバムは完成せずにサイモンのソロ・アルバム『ハーツ・アンド・ボーンズ』として発表され[1]、2014年8月現在、本作に続くオリジナル・アルバムは発表されていない。ただし、サイモンは度々アートのソロ・アルバムにゲスト参加している。

    邦題について

    本作発売に先行して、『明日に架ける橋』がシングルカットされることとなり、発売元のCBSソニーのディレクターだった石川博明が邦題を決定した。ただし、当時は"Troubled water"(荒れる水)の意味が解らず、歌詞全体を見て「明日」というキーワードを思いつき、サビの歌詞に当てはめてタイトルを作った。その経緯については、2011年リマスター盤日本語版のブックレットに書かれている。

    評価

    グラミー賞では、本アルバムが最優秀アルバム賞と最優秀録音賞を獲得し、シングル「明日に架ける橋」での受賞も含めると、6部門の受賞となった[2]。『ローリング・ストーン』誌が2003年に選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500では51位[6]

    収録曲

    特記なき楽曲はポール・サイモン作詞・作曲。

    Side 1
    1. 明日に架ける橋 - Bridge Over Troubled Water - 4:52
    2. コンドルは飛んで行く - El Condor Pasa (Daniel Alomía Robles, English lyrics by Paul Simon) - 3:06
    3. いとしのセシリア - Cecilia - 2:55
    4. キープ・ザ・カスタマー・サティスファイド (ご機嫌いかが) - Keep the Customer Satisfied - 2:33
    5. フランク・ロイド・ライトに捧げる歌 - So Long, Frank Lloyd Wright - 3:41
    Side 2
    1. ボクサー - The Boxer - 5:08
    2. ベイビー・ドライバー - Baby Driver - 3:14
    3. ニューヨークの少年 - The Only Living Boy in New York - 3:58
    4. 手紙が欲しい - Why Don't You Write Me - 2:45
    5. バイ・バイ・ラブ - Bye Bye Love (Felice Bryant, Boudleaux Bryant) - 2:55
    6. ソング・フォー・ジ・アスキング - Song for the Asking - 1:49

    2001年リマスター盤ボーナス・トラック

    1. 木の葉は落ちて (デモ) - Feuilles-O [Demo] (Traditional) - 1:45
    2. 明日に架ける橋 (デモ テイク6) - Bridge over Troubled Water [Demo Take 6] - 4:46

    参加ミュージシャン

    脚注

    注釈
    1. ^ 疑似ライヴではないかと言う指摘もあったが、英wikiでは"Live recording from Ames, Iowa"と明記されている。
    出典
    1. ^ a b c d 『文藝別冊 [総特集] サイモン&ガーファンクル』(河出書房新社、2003年、ISBN 4-309-97650-6)p.43, 51-52, 92, 98
    2. ^ a b Bridge Over Troubled Water - Simon & Garfunkel : Awards : AllMusic
    3. ^ SIMON & GARFUNKEL | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
    4. ^ Legendary singer Claude Jeter dies (Daily News, 2009)
    5. ^ Simon And Garfunkel - Bridge Over Troubled Water” (英語). ChartArchive (2010年4月2日). 2012年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月16日閲覧。
    6. ^ 500 Greatest Albums of All Time: Bridge Over Troubled Water - Simon and Garfunkel | Rolling Stone Music | Lists

    外部リンク




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