日本通運と日通学園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 03:24 UTC 版)
「学校法人日通学園」の記事における「日本通運と日通学園」の解説
順調に開学したかと思われた学園だったが、1960年代後半から1970年代前半にかけて、日通事件を背景とする日本通運の業績不振などにより、財政支援を期待した運営が難しくなるという状況や、企業による大学支配との教育界からの批判的な意見が寄せられる、と言った想定外の事態に直面し、大規模な運営の見直しを余儀なくされた事を教訓とし、財務の独立と健全化、広く社会科学分野に渡り学部増設を行うなどの組織拡充を一つの法人運営の目標とした結果、運営している諸学校が学校法人で得られる収入により独立採算で充分運営できる体制を整えたため、日本通運による支援は、節目ごとや特別な事業を行う際に、限定された寄附として行われる傾向にあり、財務上はほぼ独立している。 一方、教育や研究の振興に関する援助・協力関係は設立の背景を反映して緊密であり、日本通運役員・出身者が学園の役職者として就任するなどの、人的交流や学園運営へのアドバイス、流通経済大学で実施している「日本通運寄附講座」の提供や、インターンシップ(大学生による職場実習を単位として認定する制度)を行う学生の受入れなど教育事業への協力、物流問題についての大学研究者との共同研究、物流施設見学への協力など、学園運営や教育・研究の充実への人的・制度的支援には数多くの取り組みがあり、こちらの結びつきの方が強い。(なお、日本通運株式会社の社史には、日通学園の設立について記されているほか、毎年発行しているCSR報告書にも、同社が行う社会貢献事業のひとつとして学園についての記述がある 。) 日本の学校法人の殆どが、学者や教師など個人の篤志や、仏教・キリスト教などの宗教団体の慈善事業により設立された場合が大半であるのに対し、企業が学術・教育の振興と産業界の発展を目的として、学校法人の設立・運営を支援しているのは、ダイエー出資の流通科学大学、トヨタ自動車出資の豊田工業大学、東京急行電鉄出資の東京都市大学(旧武蔵工業大学)、亜細亜大学、東武鉄道出資の武蔵大学、ソニー出資の湘北短期大学、コニカ(現・コニカミノルタ)出資の東京工芸大学、マルハ出資の神奈川工科大学、ノリタケカンパニーリミテド出資の森村学園などがあるのみである。
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