日本版レポ取引市場の創設
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「レポ取引 (国内短期金融市場)」の記事における「日本版レポ取引市場の創設」の解説
国債のアウトライト取引(条件をつけない単純な売買。買切り取引または売切り取引)の決済は、長く、特定日決済が続けられていた。約定日によっては受渡日までの日数が長く、その間、債券ディーラー(証券会社)は受け渡すべき債券を、調達コストゼロで、他の目的のために転用できた。特定日に行われる決済は連鎖しているから、1件の決済不能が全体の決済不能に連鎖するなど、決済リスクが高まりやすい。 決済リスクは、相殺などにより未決済残高を減らしたり、約定から清算までの期間を短縮したりすることにより低減できる。そこでまず、決済期間の短縮が図られた。1986年7月に月2回から月3回(決済期間は最長20日)へ、翌1987年8月に月3回から月6回(いわゆる5・10日決済。決済期間は最長11日)へ、自主規制により決済の頻度を増やして決済期間を短縮した。 さらに、1989年3月のG30勧告で、「ローリング決済方式を全ての市場で採用し、1992年迄に決済日をT+3にすること」とされた。決済期間が短くなれば、その分だけ、決済リスクは低減されるが、決済のための国債と資金が追加的に必要となるため、調達手段を別に確保しなければならない。そこで債券貸借取引制度を見直すこととなり、1995年7月「経済対策」にて付利制限の廃止、同年12月「証券分野の規制緩和等について」にて下限規制の撤廃がそれぞれ発表され、証券業協会の自主規制ルール「債券の空売り及び貸借取引の取扱いについて」が直ちに改正された。また、翌1996年3月に「債券貸借取引に関する基本契約書」の参考様式が改正されて、現金担保(債券の時価に対して100%)つき債券貸借取引市場(日本版レポ取引市場)が創設された。 日銀は1997年10月、「金銭を担保とする国債の借入基本要領」を策定し、同年11月以降、国債借入オペ(金銭を担保とする国債借入オペレーション。レポ・オペ)を開始した。
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