日本の郷土史学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 06:43 UTC 版)
日本の学校教育では1881年(明治15年)の小学校教則要綱地理科で初めて「郷土」の語が使用された。さらに大正時代には郷土科が設置されたが本格的な郷土教育は1929年(昭和4年)に始まった。当時の日本は昭和恐慌の直後でドイツの郷土科を参考に農村の自立更生を目的とした郷土教育が強調された。 戦後、昭和40年代になると高度経済成長とともに客観的な知識の習得が推奨されるようになり、小・中学校社会科『学習指導要領』でも「郷土」が曖昧な概念として避けられ「地域」に置き換えられるようになった。このような動きのほか「郷土」は流動的であいまいな概念で避けるべきという郷土回避論もみられた。 現在、全国各地に「○×郷土史研究会」、「○×地方史研究会」、「○×地域史研究会」と名乗る研究団体が多数存在するが、名称の違いはその会が成立した時期によることが多く、研究内容、目的、手法が違うということはあまりない。また、それらの会の多くは、地方大学の歴史学者が主体となり、その教え子の地元社会科教員、学生、地方公共団体の社会教育担当職員、地方博物館学芸員などが構成員となっていることが多い。また、これらの研究者や研究会が自治体史、小学校の社会科で使用される地域副読本などの編纂、執筆を行っていることが多い。
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