日本における三審制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:45 UTC 版)
日本の裁判所においては、通常の案件では三審制が採用されている。第一審の判決に不服で第二審の裁判を求めることを控訴、第二審の判決に不服で第三審の裁判を求めることを上告という。 しかし、上告できる理由は著しく限定されており、必ずしも同じ議論を三度繰り返すことができるわけではない。実務的には、法律に定める上告理由に該当するとして最高裁判所に上告を行うことになるが、そもそも定員わずか15名の最高裁判所裁判官が膨大な数の上告事件を全て審理することは不可能であり、最高裁判所はごく一部の例外を除いて上告のほとんどを「上告理由にあたらない」として棄却してしまうため、日本の司法は事実上は二審制に等しいと批判されている。 ちなみに法律では、第一審の判決において裁判を構成するのに重大な錯誤がある場合には、第一審を行った原裁判所に再審を求めることができ、再審において却下や棄却がなされた場合には上級審に即時抗告することができると定められている。しかし、日本の裁判所が実際に再審請求を受理することは極めて稀であり、日本の再審制度は俗に「開かずの扉」と表現されている。 日本国憲法第76条では、最高裁判所に加えて下級裁判所の存在を規定していることから、少なくとも二階層の審級制をとることが求められていると解釈されるが、三審制そのものを憲法上で保障しているわけではなく、一部には高等裁判所を第一審とする二審制、地方裁判所を第一審とする二審制、および知的財産高等裁判所や東京高等裁判所を第一審とする管轄が限定された二審制も存在する。また、簡易裁判所を第一審とした場合の四審制の案件も存在する。 「二審制#日本」も参照
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