日常用語としての所得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:35 UTC 版)
例えば、厚生労働省が実施する国民生活基礎調査では、所得のうちの多くを占める雇用者所得は、「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む。」となっており、税引き前の額を指しており、サラリーマンの場合には、ほぼ手取り前の段階の収入額と同じである。しかし、自営業者が得る「事業所得」は収入から原価と経費を差し引いた後の額(利益)をいい、両者は異なる。 国民生活基礎調査での「所得の種類」は、次の分類による。 稼働所得雇用者所得、事業所得、農耕・畜産所得、家内労働所得をいう。 ア 雇用者所得 世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む。 なお、給料などの支払いに代えて行われた現物支給(有価証券や食事の支給など)は時価で見積もった額に換算して含めた。 イ 事業所得 世帯員が事業(農耕・畜産事業を除く。)によって得た収入から仕入原価や必要経費(税金、社会保険料を除く。以下同じ。)を差し引いた金額をいう。 ウ 農耕・畜産所得 世帯員が農耕・畜産事業によって得た収入から仕入原価や必要経費を差し引いた金額をいう。 エ 家内労働所得 世帯員が家庭内労働によって得た収入から必要経費を差し引いた金額をいう。 公的年金・恩給世帯員が年金・恩給の各制度から支給された年金額(2つ以上の制度から受給している場合は、その合計金額)をいう。 財産所得世帯員の所有する土地・家屋を貸すことによって生じた収入(現物給付を含む。)から必要経費を差し引いた金額及び預貯金、公社債、株式などによって生じた利子・配当金から必要経費を差し引いた金額(源泉分離課税分を含む。)をいう。 年金以外の社会保障給付金ア 雇用保険 世帯員が受けた雇用保険法による失業給付及び船員保険法による失業保険金をいう。 イ 児童手当等 世帯員が受けた児童手当、児童扶養手当、特別児童扶養手当等をいう。 ウ その他の社会保障給付金 世帯員が受けた上記(2)、(4)ア、イ以外の社会保障給付金(生活保護法による扶助など)をいう。ただし、現物給付は除く。 仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得ア 仕送り 世帯員に定期的又は継続的に送られてくる仕送りをいう。 イ 企業年金・個人年金等 世帯員が一定期間保険料(掛金)を納付(支払い)したことにより年金として支給された金額をいう。 ウ その他の所得 上記(1)~(4)、(5)ア、イ以外のもの(一時的仕送り、冠婚葬祭の祝い金・香典、各種祝い金等)をいう。 給与所得 給与所得者(いわゆるサラリーマン)について見ると、給与、俸給、賞与などから、給与所得額に応じて決まる給与所得控除額を差し引いたものが給与所得とされている。給与所得控除は、給与所得者の必要経費と考えることもできるが、実際に給与所得者が給与を得るのに必要となる背広や靴などの経費に比べ、はるかに控除額が大きいとされている。また、退職金については、退職手当などから勤続年数や手当て額に応じて決まる退職所得控除を差し引き、その残額の二分の一が退職所得とされるなど、収入から必要経費を差し引いたものが所得になっていないものもある。 給与などの収入から、所得税などの税、厚生年金保険料や健康保険などの社会保険料を差し引いたものが可処分所得である。給与所得者の可処分所得の計算では、必要経費にあたる給与所得控除を差し引くことは行われていない。 事業所得 山林所得 利子・配当所得利子所得 配当所得 雑所得 不動産所得 譲渡所得 一時所得 退職所得
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