既存構造物のシェルターとしての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 01:20 UTC 版)
「シェルター」の記事における「既存構造物のシェルターとしての利用」の解説
地下街・地下鉄・地下駐車場・地下通路なども、シェルターの代わりとして利用することができる。地下深く設置され、厚いコンクリートで覆われ、出入り口にシャッターが設置されているなど、シェルターに必要な要件を多く備えている施設は日本の津々浦々に多数存在する。ただし、これらは特別な改修をされていない限り、大量破壊兵器に対しては無力である(詳細は後述)。 ロンドン地下鉄は第二次大戦当時、ロンドン市内目掛けて飛んでくるV1飛行爆弾やV2ロケットによる無差別攻撃から避難した市民でごった返した。ロンドン地下鉄は駅によっては相当な深度にまで掘り抜いた駅もあり、避難所としての機能を果たすと考えられたのであるが、実際には爆撃に耐えられず、多くの犠牲者を出した(詳細はen:Balham_station#Second World Warを参照)。イアン・マキューアンの『贖罪』やその映画版『つぐない』では、この時の物語が描かれている。 ベルリンでは急速な都市化に対応するため、1874年にクロイツベルクにガス貯蔵施設が建設された。このレンガ作りのドーム建築物は市内の街灯に燃料ガスを供給していたが、電灯の普及によって1922年以降は利用されなくなった。その後1940年になって防空シェルターとして改造され、地番(フィヒテ通り)からフィヒテブンカーと呼ばれた。フィヒテブンカーは1945年の敗戦まで砲爆撃に耐え抜き、最大約3万人の避難者を収容していた。戦後は社会福祉施設や倉庫として利用されていた。2010年には最上層に分譲住居が増設され、下層部は市内防空壕見学コース(ベルリーナー・ウンターヴェルテン)の一環として見学が可能である。
※この「既存構造物のシェルターとしての利用」の解説は、「シェルター」の解説の一部です。
「既存構造物のシェルターとしての利用」を含む「シェルター」の記事については、「シェルター」の概要を参照ください。
- 既存構造物のシェルターとしての利用のページへのリンク