文字符
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/09 14:51 UTC 版)
これらの通称号は外地のみならず、軍管区隷下の内地部隊や、留守部隊(外地動員中の主部隊へ兵員等補充のため内地衛戍地に設置される部隊)にも割り当てられた。内地部隊の文字符は軍管区の名称を使用する(例:中部軍管区は「中部(中部第○○部隊)」)。 太平洋戦争も末期になると兵団の編成数が増えると同時に一文字の文字符が足りず、漢字二字からなる文字符が作られた。例として、1945年(昭和20年)編成の第135師団が「真心」、第138師団は「不動」だった。 本来文字符は部隊正式名称の秘匿が目的であるが、中には古参の常設師団を中心に編成地や兵種が類推できるものもあり、一種の愛称とも言えるものもあった。宮城守衛の近衛師団は「宮」、東京の第1師団は「玉」、大阪の第4師団は「淀」、広島の第5師団は「鯉」、北海道の第7師団は「熊」、戦車第4師団の「鋼」、第2飛行師団の「鷲」、第3飛行師団の「隼」、第4飛行師団の「翼」、第10飛行師団の「天翔」、高射第1師団の「晴」などでそれぞれ関連性が窺える。また、第1総軍の「東方」と第2総軍の「西方」のように、編成地のみならず防衛担当地域を表した文字符も存在した。 これら通称号を定める規則は、1945年4月20日制定の「陸軍部隊戦時通称号規定(陸機密第143号)」によって改められた。 なお、作戦上の都合から、正規の文字符の代わりに臨時の略号を使用した例がある。例として、大陸打通作戦時の第12軍では、第12軍「礼信」(仁)、第37師団「光」(冬)、第62師団「旭」(石)、第110師団「岩」(鷺)、戦車第3師団「虎」(滝)、独立混成第7旅団「山」(北)のように一部部隊には秘匿略号が割り当てられた(( )内は本来の兵団文字符)。
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