政府方針および反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/24 14:51 UTC 版)
「ブラック・アンド・タンズ」の記事における「政府方針および反応」の解説
ブラック・アンド・タンズによる活動について、アイルランドとイギリスの世論は共に冷ややかだった。暴力的な戦術に対し、アイルランド国民はIRAに対する水面下での支援を増やすことで応じたし、イギリス国民からは平和的な解決を求める動きが出始めていた。庶民院議員エドワード・ウッドは、武力行使の停止およびアイルランドに対する「最も寛大なラインで考慮された」提案を行うことを政府に求めた。庶民院議員ジョン・サイモン卿も、ブラック・アンド・タンズが採用する戦術に恐怖を感じている旨を語った。ライオネル・ジョージ・カーチス(英語版)は、『ラウンドテーブル・ジャーナル(英語版)』誌に寄せた記事の中で、「こうした手段に寄らねばイギリス連邦を保持できないのなら、それは連邦を支えた原則の否定にほかならない」(If the British Commonwealth can only be preserved by such means, it would become a negation of the principle for which it has stood)と述べた。さらには英国王ジョージ5世、聖公会主教団、自由党および労働党の議員ら、オズワルド・モズレー、ヤン・スマッツ、労働組合会議、報道機関なども、ブラック・アンド・タンズに対する批判を強めた。マハトマ・ガンディーはイギリスからの和平提案について、「イギリスに不本意な提案を余儀なくさせたのは、さらに人命を失うことに対する恐れではなく、他の何にもまして自由を愛する人々へさらなる苦しみを課すことに対する羞恥である」(It is not fear of losing more lives that has compelled a reluctant offer from England but it is the shame of any further imposition of agony upon a people that loves liberty above everything else)と評した。 1920年から1922年までに、およそ7,000人がブラック・アンド・タンズの隊員としてアイルランドに派遣された。このうち1/3以上が1922年の解散以前に除隊しており、半数以上が政府からの年金を受け取っていた。戦争を通じ、RIC隊員のうち404人が殺害され、600人以上が負傷したが、死者・負傷者に占める一般RIC、ブラックアンドタンズないしオークジズの割合は不明である。 ブラック・アンド・タンズの元隊員の中には、除隊後も市民生活への復帰に問題がある者があった。少なくとも2人の元隊員が殺人について裁かれ絞首刑に処されているし、殺人容疑で指名手配された元隊員スコット・カレン(Scott Cullen)は逮捕直前に自殺している。
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