擬死の利点とは? わかりやすく解説

擬死の利点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 05:38 UTC 版)

ホンドタヌキ」の記事における「擬死の利点」の解説

本節西野2009)を参考文献とする) 脊椎動物擬死(thanatosis)は、動物催眠animal hypnosis)、または、持続性不動状態tonic immobility)と呼ばれることもあるが、この節では「擬死」という語句使用して説明する擬死機構 動物は自らの意志擬死死にまね。death feigning, playing possum)をするのではなく擬死刺激対す反射行動である。哺乳類では、タヌキニホンアナグマリスモルモットオポッサムなどが擬死をする。擬死引き起こす条件擬死中の姿勢擬死持続時間動物によって様々である。 イワン・パブロフ脊椎動物擬死機構次のように説明している。 「不自然な姿勢におかれた動物がもとの姿勢戻ろうとしたときに抵抗にあい、その抵抗打ち勝つことができない場合にはニューロン過剰興奮静めるための超限制止がかかってくる」(イワン・パブロフ擬死引き起こす刺激 拘束刺激擬死引き起こす刺激一つである。カエルハトなどは強制的に仰向け姿勢をしばらく保持する不動状態になる。また、オポッサムコヨーテ捕獲される身体丸めた姿勢になって擬死をする。 擬死の利点 本種が擬死を行うことによる利点として、身体の損傷防止捕食者からの逃避考えられる擬死捕食者に捕えられたときなどに起こる。捕食者から逃げられそうにない状況下で無理に暴れると疲労するだけでなく、身体損傷する危険がある。捕食者被食者急に動かなくなると力を緩め傾向がある。このような時に捕食者から逃避できる可能性生まれる。この機会活かすためには身体の損傷を防ぐ必要がある擬死特徴 擬死中の動物は、ある姿勢保持したまま不動になる。その姿勢動物により様々である。ただ、不動状態のときの姿勢普段姿勢とは異な不自然な姿勢である。動物外力によって姿勢変えられると、すぐに元の姿勢維持しようして動作する。この動作抵抗反射resistance reflex)という。しかし、擬死の状態では抵抗反射機能急に低下して不自然な姿勢そのまま持続するこのような現象カタレプシーcatalepsy)という。カタレプシー擬死中の動物すべてにあてはまる特徴である。擬死持続時間は、甲虫類以外は数分から数十分で、擬死からの覚醒は突然起こる。擬死中の動物に対して機械的な刺激(棒で突つくなど)を与えると覚醒する甲虫類逆に擬死長期化する)。擬死中は呼吸数低下しまた、様々な刺激対す反応低下する擬死中の動物筋肉通常の静止状態の筋肉比較してその固さ違いがあり、筋肉硬直している。そのため、同じ姿勢長時間維持することが可能となる。 註 [脚注使い方] ^ 他の生物捕食される生物のこと --『広辞苑』より。 本節参考文献 西野浩史「4 擬死 - むだな抵抗はやめよう」『動物生き残り術 - 行動とそのしくみ』酒井正樹日本比較生理生化学会共立出版動物多様な生き方 2〉、2009年5月25日 1刷発行初版、p58 - p77。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-320-05688-6。 『広辞苑岩波書店シャープ電子辞書 PW-9600 収録〉、1998年 - 2001年第5版

※この「擬死の利点」の解説は、「ホンドタヌキ」の解説の一部です。
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