採択の日本への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 23:56 UTC 版)
「国際連合安全保障理事会決議1776」の記事における「採択の日本への影響」の解説
自衛隊インド洋派遣についての日本国憲法と国連決議との関係、集団的自衛権と集団安全保障についての詳細は省略するが、要点は次の通りである。 アメリカ同時多発テロ事件翌日には、テロ非難と自衛権・集団的自衛権容認の国連安保理決議1368が全会一致で採択。 日本は憲法前文により9条の制約に配慮しながら、いわゆる「テロ特措法」を成立させ、その適用として海上自衛隊をインド洋に派遣し、米英などに給油活動継続。特措法は数回延長された。 国連安保理決議1776(2007年9月19日)は前文において、海上封鎖行動を含む米軍中心の不朽の自由作戦(OEF)参加国への謝意を前文でふれて、アフガニスタンにおける国連安保理が承認した部隊であるISAFの活動期限1年延長をロシアを除く全会一致で決議した。 小沢一郎率いる民主党のテロ特措法延長反対理由での中心理由は、国連安保理における自衛権および集団的自衛権発動以外の加盟国に軍隊派遣を求める直接の決議(朝鮮戦争82,83,84や湾岸戦争678)がないということである。イラク戦争反対の仏独もアフガン戦争参加といってもNATOの集団的自衛権によるもので、国連決議は集団的自衛権を容認する決議にしかならないという主張である。 名指しこそしないものの、決議1776は日本の国内法問題を理由として前文が追加され採択されたが、加盟国一般に対する国際連合憲章第7章に基づく集団安全保障としての軍隊派遣要請でなく、集団的自衛権容認の延長で日本の米軍などへの給油活動を評価したものであり、武力行使を伴わない兵站活動も集団的自衛権と国連が認めたに等しいものである。 この結果、民主党の当初からの主張である国会の事前承認は文民統制の原理原則であって、当初英米との給油先がフランス、ドイツ、パキスタンなどを追加したことは国会が関与せず、いわば、集団的自衛権行使の同盟国を国会の承認なく交換公文により拡大したことなる。
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