授業書の構成要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:23 UTC 版)
「仮説実験授業#授業書」も参照 板倉が提示した仮説実験授業の授業書の構成要素は以下の通りである。 質問 授業書のはじめに置かれていることが多い。過去の経験や記憶をたずねるもので、授業に自然に入るための導入部分となる。 問題 すべての生徒が一人で予想を立て、自分自身で考えて討論に参加し、実験に訴えてその真否を明らかにすることを要求するものである。 予想 問題には予想選択肢が付いていて、生徒はこの中から一つを選ぶ。選択肢は「直感的常識的な認識による予想」と「科学的認識による予想」が対立するように作られる。 討論 この項では「みんなの予想を出しあってから討論しましょう」、「みんなの考えを出しあって、討論しましょう」、「みんなの考えを出しあいましょう」というように区別した表現を用いて指示する。それによって積極的に理由を出しあって討論する場合や、簡単に考えを述べ合って終わることもある。「問題」によってどの段階の討論が予期しうるかということを示している。 実験 仮説実験授業の実験は予想や討論で提出された意見対立のどちらが正しいかさえ明瞭であればよいので、いたずらに精度を気にする必要はなく、教師実験ですますことがほとんどである。 新しい科学の言葉・お話・読み物 問題を重ねて授業書の示す法則・概念を生徒が容易に納得しうる状態になった段階で、命題の正当性はこれまでのたくさんの科学者たちの研究の上に基礎づけられているものであるということを、明瞭に伝えるために置かれている。これらの読み物は、生徒が学習した原理がどれほど役に立つものであるかということを知らせて、生徒たちの興味関心を高め、視野を広げさせようとするものである。 練習問題 主として習熟のために置かれる問題。一般に実験的検証を必要としないと考えられるもの。 研究問題 生徒全員に要求する問題ではなく、有志のものが行うことを期待するにとどまるものである。一部の生徒が実験した結果をクラスに公開するように指導して、自発的な研究欲を高め、教育内容の視野を広げるように仕向けることが望ましい。
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