授業書の著作権の確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:23 UTC 版)
仮説実験授業では教室の授業の中で児童・生徒各自が自分の頭で予想を立てて考えることを中心にして実現される。授業で課される「問題」が事前に子どもたちに知られて予習するものが現れると、授業は「自分の頭を使う場」から「予習したことを発表し合う場」になってしまう。そこで仮説実験授業においては、特別の場合の他は予習は有害無益であるとされている。 そのため板倉は授業書を購入できるのは仮説実験授業入門講座の受講者と、仮説実験授業の基本文献の購読者に限った。市販の出版物に授業記録と共に仮説実験授業研究会作成の授業書の内容を公表するときは、研究会の了承が必要なのは当然のこととして、授業書分の原稿料などは研究会に納付するという慣例を作った。 板倉は教育界の風潮として、断片的な知識を身につけさせることをもって終わりとする傾向が強いことをふまえて、学校の教師たちによる「授業書の問題のいくつかを断片的に、なぞなぞ的に教えてしまうこと」も警戒した。教育界には少しでも子どもが面白がる知識を与えようとして、仮説実験授業研究会が開発してきた授業書の問題を盗み取ろうとする傾向が存在することを懸念した。 仮説実験授業の授業書の問題の多くは、板倉や研究会員が開発したもので、その著作権を主張できるものが少なくない。そこで、いざとなったらその著作権を主張することによって授業書の不用意な流布から守っている。
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