抗日共産軍の介在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:26 UTC 版)
「竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記」の記事における「抗日共産軍の介在」の解説
作者は避難中に遭遇した朝鮮人の武装兵のことを「朝鮮人の共産兵」( "Korean Communist soldiers")として登場させている。しかし強いて問われれば、それらが絶対に共産兵であるとは断定しきれない事は認めている。後にした区域はすでに共産主義者の掌中にあると周囲からは言われたことと符合して、そのように合点したものだ、と釈明する。 また、序章では、筆者は母親から「抗日共産軍」( "Anti-Japanese Communist Army")を形成している、と教わっている。この「抗日共産軍」という表現は、じつはソビエト軍やこれと呼応・合流した朝鮮人よりも、他では中国共産党の人民解放軍やそれを援護する現地武装兵力(マレー半島等では華僑で構成。満州では朝鮮系も含まれる。)に対して使われる呼称なので、これと特定したひとつの組織を指すとはいえない。 しかし英語の原文では"Communist"という記述になっているため(頭文字が大文字なので)固有名詞とされ、これは朝鮮人民軍としか解釈の余地がなく、1945年にはまだ正式に組織されていない目撃談は歴史の歪曲という論調が張られ、そうした報道や作者への尋問がされる。 ヨーコが目撃した朝鮮人の戦闘員については、例えばハーバード大学のカーター・エッカート教授も、正式に組織された共産軍はこの頃はないはずだとするが、羅南あたりにも地域に分散した共産党分子は活動していたかもしれない、と、完全否定はしていない。 エッカートは、もし「抗日共産軍」がいたとすれば、ソ連傘下で満州に待機していたキム・イルソン率いるゲリラ部隊であるが、これが朝鮮入りしたのは9月初頭であるという認識を示している。 「朝鮮共産党軍の兵士」("Korean Communist soldiers"なので「朝鮮人共産軍兵」ともとれる)の死体からは軍服がはぎとられ、ヨーコと母・姉は変装に使用しているが、この点についても、韓国メディアは「人民解放軍」以外の解釈はできないとし、組織されていない軍のユニフォームなど当時は存在しないので虚偽である、という報道をしている。
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