投稿プログラムコーナー「ファンダム」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 08:07 UTC 版)
「MSX・FAN」の記事における「投稿プログラムコーナー「ファンダム」」の解説
「ファンダム」には読者や、編集部の作った、MSX-BASICのプログラムリストを掲載していた。 当時廃れつつあったパソコンでプログラムを組んで遊ぶというスタイルでプログラムを打ち込み、目的のゲームを遊ぶという読者がいたことから、人気が高いコーナーでもあった。プログラミングを覚えたあとは、「ファンダム」に投稿するという流れもできていた。投稿プログラムが採用されると掲載者には掲載誌のほか、規定の原稿料(内容に応じ1〜5万円)と掲載プログラムをROMカートリッジとして製作したものが副賞としてプレゼントされた。 screen0:width40の設定でプログラムリストが1画面に収まる長さの「1画面プログラム」などのコーナーを特設し、短いプログラムを奨励。掲載したプログラムのページには、解説やプログラマーからのコメントを設けられていた。 またチェックサムを載せ、プログラムリストの行番号を別色にして見やすくするなどの配慮が行われた。総集編として「MSXプログラムコレクション50本・ファンダムライブラリー」をムックとして刊行した他、傑作選「スーパープロコレ」も発行されている。これらをROMカートリッジ(のちにフロッピーディスク)に集めての販売もした。 創刊からしばらくすると、「ファンダム」でも機械語を用いたプログラムが掲載された。機械語によるプログラムはBASICで書かれたプログラムと比較し動作速度等などが優れていたため、多くの読者を機械語熱に走らせた。当初、「ファンダム」では機械語のみのプログラム(16進表記のダンプリスト等)は掲載しない方針だったので、投稿者はBASICで入力できる形式で投稿する必要があった。この制限から、機械語をエンコードした一見すると無意味に思えるような文字の羅列の形でソースコードに埋め込み、BASIC上から実行させるものなど、技巧をこらした投稿プログラムが、中期以降にはよく見られるようになった。その後、本誌に付録ディスクがつくようになって直接バイナリーファイルを収録できるようになったためBASICで入力する形式という制限は取り払われ、かなりボリュームの大きなゲームも採用されるようになると共に、機械語の解説なども行われるようになった。 投稿プログラムの多くはゲームプログラムだったが、本格的なグラフィックツールなどの実用的なプログラムやマウスで書道ができるプログラムなど、個性的な発想で作られた作品も少なからず採用されていた。また後期になると投稿プログラムに対してクロスレビューを行い、複数の編集者の意見を直接掲載することも行われている。 1989年11月号に掲載の『水道管』並びに、1990年3月号に掲載された『水道管2』は後に、コンパイルと徳間書店が市販した『ゴルビーのパイプライン大作戦』の原案となった。さらに、このゲームの上から落ちてくる水道管を繋げるアイデアが『ぷよぷよ』のシステムの元ネタになったといわれている。また、『ファミマガディスク』の一部作品はこの「ファンダム」掲載プログラムをゲーム化したものとなっている。 「ファンダム」掲載プログラムは通算1,008本、投稿者平均年齢は18.08歳だった。
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