手打ち式製法・足踏み製法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 06:23 UTC 版)
「讃岐うどん」の記事における「手打ち式製法・足踏み製法」の解説
上記のようなコシが生まれる原因として、特有の手打ち式製法があげられる。これには一般的な機械式の製麺と比べて 十分な混捏 圧延が多方向 生地の熟成 といった特徴がある。この中で1と2は生地の中のグルテンの分布を均一にする効果があり、3には生地からの脱気や遊離脂質の減少と結合脂質の増加をうながす効果がある。3には1によって生地に生じた応力を緩和し、軟らかく伸びるようにする効用もある。 また、食塩水の添加も重要な要素となっている。加える水の量を増やすことによってグルテンの均一性を増す事ができるが、多すぎると生地の粘弾性が増して硬くなる。また食塩を加えることで生地の伸びがよくなるが、多すぎると逆に低下する。このため食塩水の量と濃度を調節することが重要であり、古くから「土三寒六常五杯」(土用など夏期は1杯の塩に対して水を3杯加え、寒中の冬期は水を6杯にする)という言葉が目安にされてきた。これらの要素が組み合わさってコシは得られている。 生地はうどんゴザをかぶせた上から裸足の足裏で踏みつけて腰を出す「足踏み」製法がかつての主流であったが、衛生面から戦後この方法の是非が問題となった。このため効率化を兼ねて、製塩業に用いていた藁の加工機をベースに混捏用の機械が1965年に開発された。1968年に香川県が製麺業の免許の交付・更新の際にこの機械の採用を義務付けたため普及が進み、1970年には北海道など全国各地や韓国ソウル、米国アラスカ州など日本国外にも出荷されている。このような流れであるため「足踏み」製法は規模縮小しつつも、衛生面からビニール を用いて生地を保護 した上で、今日においても根強く行われている。また、生地に十分な粘りを生み出しながらそれを延ばす方法として「すかし打ち」という独自の高度な技法がある。
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