戦後のイギリスでの模擬演習(シミュレーション)による評価
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大戦後1974年にイギリス陸軍のサンドハースト王立陸軍士官学校において、大戦当時のイギリスおよびドイツ両軍の関係者を集めて英本土上陸作戦の模擬演習(シミュレーション)が行われた。ドイツ軍は制空権を確保できていないものの、イギリス海峡を機雷で封鎖することによってはしけの安全を確保し、最初の上陸が成功したという条件で行われた。シミュレーションの展開および結果は以下のようなものだった。 上陸成功後、ドイツ軍は海岸での橋頭堡を確保し、内陸部への侵攻を開始した。これに対し、イギリス軍はGHQライン(上陸を想定した防衛ライン)まで遅滞戦闘を行い、ドイツ軍の進軍速度の低下につとめた。ドイツ軍は英空軍に海上輸送を妨害され、装甲部隊の不足から積極的に攻勢を仕掛けることが出来なかった。稼いだ時間を利用して、イギリス軍は第一次世界大戦に従軍した老人や子供から成る郷土防衛隊を動員し、防衛線を構築する。同時に初期攻勢で損害を受けた正規軍を再編成し、戦線に復帰させた。ドイツ軍が防衛線を突破できないまま、数日間対峙が続き、やがて機雷原を突破したスカパ・フローから出撃した英海軍がイギリス海峡に到着する。ドイツ軍の海上輸送は破壊され、補給と増援が途絶えた。消耗していったドイツ軍は降伏を余儀なくされ、侵攻は失敗した。 戦史家のRobert Forczykは、以上のサンドハーストでの評価は、当時、英軍が独軍に対して地上戦ではほとんど連戦連敗であったことや、未成年と老人からなる装備貧弱のホームガード、脆弱な沿岸防備、本土の英軍実態を過大評価してるとして、現実的ではないと指摘している。
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