性的虐待に対する申し立て
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:34 UTC 版)
「アメリカ体操連盟性的虐待事件」の記事における「性的虐待に対する申し立て」の解説
ナサールはオステオパシック・フィジシャンの有資格者であり、アメリカ体操連盟の代表チームのスポーツ医でもあった。ナサールはまた自身が教職員を勤めるミシガン州立大学においてクリニックを運営していた。2015年アメリカ体操連盟は「選手たちの不安を(連盟が)聞き知ったため」との理由でナサールを解雇した。 2016年9月、インディアナポリス・スター紙が2人の元体操選手がナサールから性的暴行を受けたと申し立てている事を報じた。これに続き、ミシガン州立大学はナサールを配置換えして治療室と教務から引き離し、さらに同月中に解雇処分を下した。これを皮切りに、150人以上の人々がナサールから性的暴行を受けたと申し立てた。彼女らの申し立てによればナサールは診察中に性的暴行を行っており、こうした「診療」は、指を女性器や肛門に挿入することから胸部や性器に対する前戯にまで及んだ。ナサールは当初、自身は正当な医療行為を行っていると主張し、申し立てを否認していた。2017年2月、ジャネット・アントリン、ジェシカ・ハワード、ジェイミー・ダンツスチャーの3人の元体操選手がドキュメンタリー番組『60 Minutes』のインタビューに答え、ナサールから性的暴行を受けたと主張した。彼女らはまた、テキサス州ハンツビルのKarolyi Ranchトレーニングセンターにおいてカーロイ・ベーラとカーロイ・マールタ夫妻が運営する代表チームの強化合宿に「心理的虐待組織」が存在し、この組織のためにナサールは容易に選手を利用することができ、また選手は恐怖から性的被害を口外できなくなっているとも主張した。警察に被害を届け出て自身の経験を公にした最初の人物であるレイチェル・デンホランダーが2017年5月法廷で陳述したところによると、2000年彼女は5回の診療において暴行を受けたが、当時彼女は15歳であった。 オリンピック金メダリストマッケイラ・マロニーはツイッターでハッシュタグ「##MeToo」を使い、彼女は13歳の頃からナサールによる性的ないたずらを受けており、これは2016年彼女が現役を引退するまで繰り返されたと主張した マロニーはナサール、ミシガン州立大学、アメリカオリンピック委員会、アメリカ体操連盟を告訴した。訴訟ではアメリカ体操連盟はマロニーと125万ドルでNDAを結ぶことでこの性的暴行を隠蔽しようとしたとする主張がなされた。 『60 Minutes』のインタビューの中で、オリンピック金メダリストアリー・レイズマンは彼女もナサールからの性的虐待を受けたと主張している。レイズマンによれば、ナサールは彼女が15歳の時に性的ないたずらも行っていた。ギャビー・ダグラスはレイズマンに対し、「どうあれ、落ち着いた装いをするのは私たち女性の側の責任である。挑発的な、あるいは開放的な服装は悪い連中を引き寄せる」とツイートしたため、オリンピック代表チームのチームメイトであるシモーン・バイルズらから批判を浴びた。後にダグラスはこのツイートについて謝罪し、ダグラス自身もNから性的暴行を受けた経験を持つ被害者であると述べた。 かつてのオリンピック代表チームのメンバーであったマギー・ニコルズは彼女はナサールに虐待されたと訴え、ナサールがフェイスブックを通じて彼女と交流し、事あるごとに彼女の外見についてお世辞を言うことでいかに彼女を手懐けたかを記した文章をまとめた。またナサールを最初にアメリカ体操連盟に通報したのは、ニコルズが他の選手にナサールの行動について話しているのをふと耳にした彼女のコーチであるSarah Jantziであったことも報じられた。このすぐ後にシモーン・バイルズが、彼女もNに性的虐待を受けたという主張と共に名乗り出た。ジョーディン・ウィーバーは、彼女がアメリカ体操連盟に所属していた間Nから性的虐待を受けていたと主張したところのナサールの量刑手続きの場で、陳述を行った
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