思想と位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/24 01:55 UTC 版)
「リュック・ド・クラピエ・ド・ヴォーヴナルグ」の記事における「思想と位置」の解説
ヴォーヴナルグは、古典主義が支配する時代に現れたロマン主義の先駆者と目される。形式・理性・客観性・普遍性などを重んじる古典主義に敬意を払いつつも、個人の感情の価値を強く訴える。有名な箴言「偉大な思想は心情より生まれる」は、彼の思想を端的に表している。 先行するモラリスト、ラ・ロシュフコー、パスカル、ラ・ブリュイエールの著作を愛読したが、その思想には様々な相違がある。ラ・ロシュフコーが人間に不寛容で、厭世的なのとは対照的に、ヴォーヴナルグは、恵まれぬ生涯を送ったにもかかわらず、人間や人生を肯定し、楽天的で寛容である。パスカルが来世に心を寄せるのに対し、現世を重視し、立身出世のような世俗的な営みも容認する。ラ・ブリュイエールが風刺や批判のために人物描写をしたのに対し、心理の探求に関心をもっていた。 ヴォーヴナルグはルソーや個性の解放を追求するロマン派に影響を与えた。なお、日本で最初に作品が紹介されたのは1948年である。
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