当事者運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 06:55 UTC 版)
「セックスワーカーの権利」も参照 セックスワークの当事者は古くから声を上げてきたものの、関連した議論に反映されることは近年になるまで少なかった。日本においても、1956年の売春防止法の成立に当たって、赤線地帯で働いていたセックスワーカーによって構成される赤線従業婦組合の多くが反対したものの、宗教系団体(矯風会、救世軍)や第二波フェミニズムに影響された婦人団体の積極的な賛同を持って成立したとされている。1971年には、ニューヨークで売春をテーマとしたフェミニズム学会が初めて行われ、売春婦たちが当時のフェミニズムを辛辣に批判し、多くのフェミニストを驚かせた。以降、賛否はありながらも、セックスワーカーの権利運動はフェミニズムの枠組みで理解されるようになった(フェミニスト・セックス戦争)。 セックスワーカー当事者の経験や声が、依然として周縁化されている背景として、職業に対しての根深いスティグマが指摘されている。セックスワーカーは「被害者」というネガティブなステレオタイプにより、自主性や主体性が尊重されにくいと指摘されている。「セックスワークは望ましくない職業である」という社会規範からくる偏見により、辞めるための自立支援は存在するものの、セックスワーカー当事者の安全性や健康に影響する労働環境の改善などが制度化される事は少ない。
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