帰納的推論に関する理論とは? わかりやすく解説

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帰納的推論に関する理論(グルーのパラドックスと投影可能性)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 21:42 UTC 版)

ネルソン・グッドマン」の記事における「帰納的推論に関する理論(グルーのパラドックス投影可能性)」の解説

詳細は「帰納」および「グルーのパラドックス」を参照 グルーのパラドックス帰納まつわるパラドックス一つで、グッドマンによって「帰納新しい謎」(new riddle of induction)というタイトル論文の中で発案された。 このパラドックスヒューム古典的な帰納法問題継承したのであるグッドマンヒューム帰納的推論に関する説をまずは受け入れる。ヒュームによれば過去経験未来出来事干渉する。また帰納的推論人間習慣社会生活に基づくものであり、日常生活における事物によって日々調整されている。 グッドマンはしかしヒュームいくつかの調整習慣をつくるものであり(たとえば所与銅貨電気伝導すると、銅貨電気伝導するという諸説主張信頼性が増す)、そうでない調整もある(例え三人の男が部屋にいることは、部屋にいるのは三人の男であるという確証主張信頼性増やしはしない)ということ見落としていると批判するこのような調整と、偶発的な一般性から戒律的な主張構成する仮説とをいかに見分けることができるだろうかカール・ヘンペル確言理論での解決は、あるクラスにおけるすべての事物適用される仮説と、一つ事だけを指し示す証拠的な主張とを区別するというものであったグッドマンはこれらへの反論として、「グルー」について議論するグルー(grue)とは、たとえば、「2050年までに初め観察されたものについては緑(green)を指し2050年以降初め観察されたものについては青(blue)を指す」と定義されるグルーは、緑と青の切れ目にどの時点をとるかで無数の定義がありうる。 「エメラルドは緑である」という命題について2000年段階でわれわれが持つ証拠はすべて、「エメラルドグルーである」という命題証拠にもなるため、この2つ命題同じくらい強く検証されている。しかし、2050年以降初め観察されるエメラルドどういう色を持つかについてはこの2つ命題はまった異な予測をすることになる。 ヒューム的な懐疑避けるために斉一性原理(すでに観察したものはまだ観察していないものと似ている)を認めたとしても、どういう斉一性想定するか(エメラルドは緑だという斉一性か、エメラルドグルーだという斉一性か)によって、事実上あらゆる予測斉一性原理両立してしまう、ということ示している。われわれは、無意識に投影可能 (projectible)な述語(緑はこちらに分類される)とそうでない述語(グルーはこちらに分類される)を分け、projectibleな述語のみを帰納に使う。しかし、投影可能性正確に定義することも投影可能な述語だけが帰納使える考え根拠を示すことも非常に困難である。

※この「帰納的推論に関する理論(グルーのパラドックスと投影可能性)」の解説は、「ネルソン・グッドマン」の解説の一部です。
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